れいるのおと

旅、鉄道、飛行機、ひとり言。あれこれかじって語りたいだけのブログ。

ANA B777ビジネスクラス-The Room-搭乗記

ANA  B777-300ERのビジネスクラスTHE Roomに搭乗した。

 

・搭乗便:NH109便 ニューヨーク(JFK) 12:45→羽田(HND) 17:00
・機材:ANA(全日本空輸) Boing777-300ER(JA793A)

 

 

 

♢機内データ(2024年現在)

座席:半個室タイプ
フルフラット:〇
隣席との仕切り:〇
荷物収納:〇
コンセント:〇(USBポートもあり)
機内エンターテイメント:〇(4Kモニター・日本語対応)
内言語:日本語
アメニティ:枕、毛布、アイマスク、歯ブラシ、リップクリーム、スリッパ、ミネラルウォーター、イヤホン(SONY製)
その他:ウォシュレット付きトイレ、パジャマレンタルサービス・電子サンシェード

 

 

ANAビジネスクラス「THE Room」は、2021年から導入された新しい座席だ。

 

正方形の個室には、大人2人は並べるベンチ席。椅子を倒せばフルフラットになってくつろぐことができ、仕切りも備えているためプライベート感も得られる。
4K映像を映す24インチのモニターで映画を楽しみながら、人の目を気にせず存分にくつろげる、超快適な座席なのであります。

 

モニター横の扉を開けると、小物入れポケットや鏡などが備わっており、ちょっとしたドレッサーのよう。

また、搭乗時のアメニティは日本のブランド「SHIRO」、英国のブランド「Globe and torrter」のポーチを採用。2024年現在は、アメリカのブランド「AVEDA」のアメニティが英国ブランド「ETTINGER」のポーチに入っているとのことだ。

 

小物置けるスペースに加え、収納式のテーブルも用意。各種操作系のスイッチがわかりやすい、充電コードが扉と干渉しないなど、考え抜かれた配置とデザインで、本当に使い勝手が良い。また、トイレがウォシュレット付きなのには驚きました(笑)。

 

漫喫のような座席だが、満足度は漫喫の何十倍(当たり前)。ストレスない居住性と美味しい機内食、手厚いサービスで、日本の航空会社の素晴らしさを感じ取れる搭乗となりました。

 

 

 


 

以下、搭乗記。

 

 

ニューヨークJFK空港の第7ターミナル。出発3時間前に到着し、スムーズにチェックイン。空港内ラウンジでゆっくり過ごした後、いよいよ搭乗スタートだ。



着席すると、CAさんと御挨拶をいただく。荷物や衣服のケアなど、配慮やサービスが手厚い。
機内音楽「Another Sky」を聴きながらウェルカムドリンクをいただいていると、定刻通りに機体はゆっくりと動き出した。

 

 

THE Roomの座席は互い違い、すなわち人が凹凸に並ぶよう配置されている。そのため後ろ向きになる席がある。僕は人生で初めて、後ろ向きでの離陸を体験した。
Gがお腹にかかる感じ、椅子から飛び出しそうになる感覚は、普通の離陸と全く逆で、なかなか楽しい(笑)。

 

離陸後30分くらいすると、飲み物とアミューズが提供される。カンパリオレンジを選んだ。

 

 

居酒屋のお通しのようなものだが、デザインといい味といい、とても素晴らしい。見た目に美しくとても美味しい。

 

機内食は1回。現地を昼間に飛び立ち、夕方に羽田に降り立つため、1回の機内食とその後は軽食という形で用意されている。離陸から1時間半ほど経った頃、提供が始まった。
今回は事前に和食をチョイス。CAの方が豪華な和定食を運んでくださった。

 

 

 

●メニュー

・前菜
大根と人参の林檎なます
胡麻焼き
海老地漬け
牛八幡巻き

・小鉢
ホタテ貝とアボカドの柑橘ジュレ掛け

・お造り
炙りハマチ

・主菜
カラスガレイ生姜煮

・御飯
御飯、味噌汁、香の物

・デザート
アイスクリーム/フルーツ/チーズ

 

一品一品、味が染み込んでいながらしつこくなく、とても美味しい。ここまでクオリティが高い料理をいただけるとは思わず、感動w。機内食レベル、ビジネスクラスのクオリティの高さにただただ感動を覚えたのでした。

 

 

食事が終わると、おくつろぎタイム。
機内照明を落とされるので、思い思いの時間を過ごすことが出来る。

2019年導入の最新機種なこともあり、エンジン音は小さめ。太陽を追いかける行路のフライトなので、機窓はずっと明るい。電子サンシェードで暗くし、眠りにつく。13時間の時差に体を合わせるのには、充分な空間だった。

 

 

離陸から9時間、小腹が空いたので、軽食をいただくことに。

メニューはサンドイッチや丼、おにぎり、スープ、麺、チーズ盛りなどなど。今回はカレーライス、スープ、アイスクリームと紅茶をオーダー。

 

あぁ、美味い...!

機内食カレーってなぜ美味しいんでしょうね。テイクアウト品でも人気のコレ、人気になる理由がわかる。
ハーゲンダッツアメリカ調達のものらしく、サイズやデザインが日本のソレと違う。味の違いは感じられず、美味しくいただけました^^

 

 

 

のんびりくつろいでいると、まもなく羽田到着の時間に。窓を覗くと、富士山が出迎えてくれていた。

 

日系航空会社のビジネスクラスに初めて乗りましたが、とても良いものですね。感じがイイ。日本の風土があると言い表そうか、日本人だから刺さる部分が多いのかもしれない。
とはいえANAは、イギリスのスカイトラックスで3位、オーストラリアのエアラインレーティング・ドットコムでも7位にランキング。それだけ評価されるビジネスクラスを堪能できたのは、とても良い体験になりました。

 

 

 

 

 

 

「ほぼ国鉄時代のジオラマ」に行ってきた

レンタルレイアウト「ほぼ国鉄時代のジオラマ」さんを訪れた。

 

茨城県龍ケ崎市にある「ほぼ国鉄時代のジオラマ」さんは、Nゲージのレンタルレイアウトのお店。

2019年に東京・田端にオープン、その後こちらに移転。比較的新しいお店である。

 

 

 

店内はL字型のレイアウトに全部で6路線。両端に山があり、山の中で半周して折り返してくる配線が印象的なレイアウトだ。

上・中・下段でそれぞれキャラクターの違う複線が引いてあり、上から非電化ローカル、高架、電化路線となっている。

 

レンタルレイアウトは場所によって景色が異なるのが一般的だけど、ここは高低差を生かして情景が変わる。それが新鮮で、おもしろい。

 

 

今回は下段の手前側、1番線をレンタル。

留置線は2線、駅も留置線も15両以上に対応しており、長編成でも問題ない。
また、留置線の前後には機回し線があり、機関車を数両、停めておくことができる。寝台を走らせたい筆者にとって嬉しい配線だった。

 

店名にあるように、ジオラマの景色は近代的な景色ではない。山あり海あり田畑あり、のどかな雰囲気漂うジオラマだ。

山間部や海沿い、地方を走る車両がよく似合うのは言うまでもないけど、都会の車両が走っても絵になる情景。のんびり走らせるのにぴったりのレイアウトだ。

 

 

写真はE3系こまち。ローカルな電化路線で作られているので、ミニ新幹線でも似合う。

 

通電状態が良く、走らせるのにストレスがない。また、撮影スポットも多く、走らせても撮っても楽しい。15両でも存分に走らせられる有効長があるのも良かった。
それでいてお値段もお手頃。ストレスなくゆったり楽しめる良いお店に感じられた。

 

 


 

最後にアクセス。

 

立地は、龍ケ崎市駅(佐貫駅)からバスで10分ほど。関東鉄道竜ヶ崎駅から歩けば30分はかかる場所にある。

駐車場があるため、車での来訪がオススメだ。車で訪れてのんびり走らせて帰る、ドライブ好きの筆者にはそんな楽しみ方ができるのも嬉しい。


 


たっぷり2時間走らせてこの日は終了。のどかな雰囲気のレイアウトと気さくな店長さんの良いお店。また伺います!

 

 

 

 

 

 

 

 

255系わかしお/さざなみ 普通車の乗車記

255系の普通車に乗ってきた話。

 

JR東日本255系
国鉄車の置き換えと列車のイメージアップを図り1993年にデビューした車両だ。民営化後、JR東日本が単独で作った形式としては651系、251系、253系に続く4つ目の車両に当たる。
房総ビューエクスプレスの愛称を付けられてデビュー。それは青、黄色、白を用いた「房総色」登場の瞬間でもあり、新しいカラーを印象付ける車両となった。
特急「わかしお」「さざなみ」をはじめ、かつての「しおさい」やかつての「あやめ」など、東京から千葉県の各地を結ぶ列車として活躍中の車両であります。

 

 

 

♢車内データ(2024年現在)
座席:2+2配置
シートピッチ:970mm
快適装備:リクライニング
テーブル:ひじ掛けに収納
コンセント:無
車内販売:無
その他:足元にフットレストらしい装備あり

 

年季を感じながらも、スタイリッシュなインテリアの車内。床は塩ビだろうか、シンプルというか、このタイプの床は初見だったのでびっくり(笑)。海帰りで床を汚してしまっても清掃しやすいということだろうか。

座り心地はフカフカでイイ。背もたれが窪んだ造形だけど、お尻から背中へのフィット感がもう少し欲しいかな。
座面裏はマガジンポケットのみ。足元には足を乗せられそうなバーがあるけど、これはフットレストなのか...?テーブルは肘掛けのみでドリンクホルダーもない。シンプルデザインで見た目スッキリだが、利便性は△。
また、カーテンはフリーストップ式。立て付けが悪く、シワになっていたりする。網棚がシースルーで、荷物が見やすいのは良かった。

 

 

 

ビュー特急というものの、そこまで窓が大きいわけではない。これは有名な話で、253系の車体と共通だからそこまで大きくできなかったとか。
しかし、実際座るとそこまで展望が悪い印象も受けなかった。縦方向に大きい分、低い位置に座っているかのような、より多くの景色を視界に取り入れている感覚があった。
VIEW特急って言うから良くないのかな。255系の先輩には251系スーパービュー踊り子がいるのだから...。

 

また、車内の電光掲示板は3色LEDのもの。年季を感じるデジタル時計と並んで配置されていた。651系とか、平成初期の特急にあったものと同じものかな。この時代の列車は共通部分が見られるものの、各車両にしっかり個性があって、観察するととても楽しいものですね。

 

 

列車は、送風機類の音、ジョイント音やモーター音もそれなりに聞こえてくるし、そこそこ揺れる。柔めな座席に身を預け、そうした音を聞きつつ、車窓を眺めるの乗車旅。良くも悪くも、静かで快適な今の特急らしくなく、ローカル線を旅しているかのような気持ちに落ち着いた。

 

そんな乗り味とは対照的に、改めてデザインの素晴らしさに感動する。
新しい特急車両と比べても、見劣りしないスタイリッシュさ。車両コンセプト、インテリア、就航路線へのイメージ等がうまくまとまっていてイイ。国鉄色ばかりで味気なかった房総方面に、このカラーイメージを定着させたのはこの255系だ。廃れないデザインの素晴らしさやデビュー当時の勢いが感じられる車両に思えたのでした。

 

今回はこの辺で。

 

 

 

 

 

 

 

 

お召列車の特別車両E655-1を見る

お召列車の特別車両の話。

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主に天皇皇后両陛下が利用するために運転されるお召し列車
明治時代から特別列車を用意して運転され、車両もそれ専用の車両が用意されてきた。

現在、公式のお召列車用車両としてあるのが、JR東日本E655系国鉄から使われてきた客車「お召1号編成」の後継として、2007年にデビューした。

 

 

先代のお召列車「1号編成」では、陛下が御乗車になる"御料車"、関係者が乗車する"供奉(ぐふ)車"で構成されていた。

後継のE655系ではそうした区別がなく、御乗用の"特別車両"が仕立てられ、あとは一般車(とはいえ全車がグリーン車)という区分になった。

 

 

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その"御料車"改め"特別車両"が「E655-1」である。

E655-1は御料車と同じ役割を担う車両だが、特別車両という呼び名になっている。
E655系は我々一般客の乗車もできるが、E655-1は皇室とその関係者のみ。お召し列車運転関連でしか走らず、普段は東京総合車両センターの御料車庫にて保管される。

また、E655系の所属は尾久車両センターだが、この特別車両のみ東京総合車両センターに配置。御料車庫で眠る歴代のお召し列車車両とともに管理されている。

 

写真は、検査のために総合車両製作所へ回送される際の1コマ。側面の光沢ある塗装に対してツルツルな妻面が対照的だ。

 

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特別車両の真ん中にある窪みは、天皇家の菊の紋章を取り付けるためのもの。お召し列車運転時には、進行方向側の先頭車と特別車両に菊の紋章が取り付けられる。回送やお召し列車前の試運転など、お召し任務以外で紋章が取り付けられることはない。

 

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形式番号は妻面に表記されている。

車両の形式のみが振られており、"クハ"や"モハ"のような形式称号はない。もしも形式称号を付けるなら、"スロ"に当たるだろうか。

表記類を妻面にまとめ、外観の美しさに一役買っている。塗装や足回りなど、全てが常に美しい状態に、光沢があってとても綺麗だ。

 

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車両は防弾ガラス、車内はもちろん非公開だ。お召列車運転時以外はブラインドが降ろされる。



写真はすべて2012年のもので、現況とは異なるかもしれないのであしからず。
お召車両の貴重なシーンを見られたことが幸運だったが、やはりお召列車での活躍を見たいものです。

 

 

今回はこの辺で。

 

 

 

 

 

【過去画】JR203系 幻の上野行き幕

過去の画像から。国鉄203系の上野行き幕の話。

 

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常磐線各駅停車、地下鉄千代田線で活躍していた203系。

203系の方向幕には、「上野」幕が用意されていた。

 

国鉄車には様々な行先の方向幕がセットされていることが多い。
特に、14系、24系などの客車、103系115系415系485系などは、各地へ走っていたため、いろいろな幕が入っている。
日本各地の行先が登録されていることに驚いた経験がある方も多いと思う。


一方、203系は、常磐線各駅停車と地下鉄千代田線で活躍していた車両。目的地になり得ない上野行き幕の用意があったとは大変驚きだった。

 


一応、203系の上野入線は実績がある。

しかしそれらは、試運転や疎開回送、マヤ34との検測するなど、非営業のもの。営業運転での入線歴は全くなかったので、この上野幕は幻の幕だったと言える。


なぜ上野幕を持っていたのだろう。203系は10両固定で連結運転はできない、つまり快速運転は現実的ではないのだ。

万一、快速線の車両が足りなくなった場合の備えだろうか。実際に快速運用に就いた場合、それは車両繰りが出来ない非常事態...ということか。

 

ちなみに後継車E233系2000番台には上野幕は用意されていない。まさに謎幕。
でも、レア幕が入ってるって、発見や想像を働かせる楽しさがあるので、それはそれで良いですよね(笑)。

 

 

 

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函館本線 藤城・砂原支線に乗ってきた―後編―

前編のつづき。JR北海道 函館本線の支線、藤城支線・砂原支線に乗ってきた話。

 

 

1日1本だけ、この2つの支線を両方とも経由する列車がある。それが、函館駅5時49分発 森行き5881D列車。

この列車に乗車して、函館本線の2つの支線を乗ってきたのでレビューを綴っていく。

 

 

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大沼駅を出発、東に反れる砂原支線。駒ヶ岳をなぞる様にぐるっと旋回する。

森の中をしばらく走ると、列車は運転停車。列車の交換を行う。

 

旧・銚子口駅

ここは2022年に廃止になった旧・銚子口駅が信号所になったもの。駅舎がまだ残っていた。まだ廃止まもないからか、現役さながらな雰囲気。とはいえアスファルトの割れ目から雑草が生え、ローカルで人気が少ないのは充分感じられた。


鹿部駅渡島沼尻駅
渡島砂原駅・車窓

銚子口信号所を出ると、鹿部(しかべ)駅・渡島沼尻(おしまぬまじり)駅・渡島砂原(おしまさわら)駅と停車していく。

鹿部駅前には、陸上自衛隊駒ヶ岳演習場がある。それゆえか駅舎が大きいのだけど、電車で来る人はいるのだろうか。
どの駅舎も、耐寒・耐雪のためかしっかり作られているけど、相変わらず人気はない。乗り降りする客もわずかだった。


もう少し開けた車窓を期待していたのだけど、海岸線は遠いし、木々が生い茂る中を走るので、あまり変わり映えしない。のんびりローカル路線な感じ。

 

 

掛澗(かかりま)駅に到着。上り貨物列車と交換。
各駅は貨物との交換が可能な構造で、ホーム有効長はそこそこ長いものが多い。

乗っていればなんてことない閑散としたローカル線なのだが、朝イチで長編成の貨物とすれ違うと、大動脈路線の1つであることを改めて実感する。

 

 

前編でも記したが、函館本線の貨物列車は、急勾配を避けるために特殊なルートで運転されている。
下りは藤城支線・駒ヶ岳(本線)経由、上りは砂原支線・新函館北斗(本線)経由だ。

 

本線、つまり駒ヶ岳の勾配は、貨物列車にはとてもキツい。
10‰(パーミル/水平距離1000m進むと垂直距離10m上る角度)以内の路線を走るのが一般的なのに対し、ここは勾配20‰を超えており、補機が付く山陽本線セノハチ区間に匹敵する。

戦時中は、補助機関車を付けてやっと超えていたこの区間。私営鉄道を買い取って改修し、できた砂原支線の勾配は9‰に収まっているそう。

 

とはいえ10‰は角度にすれば約0.57度、20‰は約1.15度、大した角度には感じないけど...貨物列車はとても繊細なようだ。

 

 

尾白内駅東森駅

 

列車は尾白内駅東森駅に停車。次は終点 森駅だ。

現役、廃駅跡を含めて7、8つの駅を経てきたが、どれも色や形が様々だった。砂原支線の駅は個性が豊かだなと感じる。

 

木々が生い茂る森の中を走るため、車窓はそれほど楽しくない。

路線の個性を楽しむというよりは、キハ40のエンジン音、ジョイントを刻む音、風の音や薫りを楽しみながらのんびり行くのが、良い楽しみ方かもしれない。

 

 


森駅に近づいてくると、進行方向右側から海が寄ってくる。
列車はゆっくりと入線、定刻通りに到着した。

 

この駅は知名度は高くないものの、いかめしの駅弁がある駅、といえば伝わる人が多いかもしれない。

森という駅名に反して、海を見渡せてとても景観が良いこの駅。海が近い駅としては海芝浦や下灘が有名だけど、ここまで海が近く、水面からの高低差がほぼない駅も珍しいかも。

 

 

 

函館から約2時間、これにて藤城・砂原支線の乗りつぶし旅が終了した。

 

駅の探検や、私営鉄道跡、廃駅探索をしたいなと感じたものの、車窓が単調ゆえにまた乗りに来たい路線にはならず。もう少し、駒ヶ岳や海を感じられると思ってたんだけどな(笑)。

JR北海道の完乗を目指すうえでのボトルネックになるこの区間。新幹線の開業により存続が取り沙汰される路線の1つなので、乗りに行けて良かったかな。

 

 

 

今回はこの辺で。

 

 

 

 

 

 

成田エクスプレスの超高額グリーン車 乗って評価してみる

E259系NEXこと成田エクスプレス


競合のスカイライナーと比べると料金が高いのに速くない、空港アクセス特急である。

特にグリーン車は超高額と言われ、良い評判をあまり聞かない。

なら自分で乗って品定めをしてみようではないか。

 

事前知識ゼロ、僕が感じたままに乗車録を綴っていこうと思う。



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♢車内データ(2024年現在)
座席:2+2配置
シートピッチ:1160mm
快適装備:リクライニング
テーブル:座面裏のみ
コンセント:有(1人1つ)
車内販売:無

 


座席は2×2配置で7列分用意されている。チェスのマス目のようなメリハリが効いたデザインの絨毯、暖色系の照明、黒と赤のNEXカラーの座席。JR東日本らしく落ち着きとスタイリッシュさが上手くまとめられている。


通路天井部にはモニターによる案内表示があり、多言語で到着駅を案内。これはNEX普通車にもある設備で、NEXのライバル京成スカイライナーでも見られたものだ。

 

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座席。
高級感漂う黒い革張りのシート。革の座席とは珍しい。ひじかけ部分やマガジンポケットにも革が用いられている。

着席すると、これは少しびっくり。
適度に沈み込みながらも革が受け止めてくれて、まるで革張りのソファに座ったかような感覚を得た。「椅子に座る」とは違うこの感じ、なかなか良い。鉄道車両でこういう座席があるとは...快適の種類はいろいろあるのだなと改めて思わされます。

リクライニングはそれなりに深く倒れてくれ、深くまで倒した場合はフットレストがちょうど良く利用できた。せっかく座席下の足元空間が広いのにフットレストが邪魔してるなーと思ったのだけど、航空機のように荷物置きとして使うのが正解のよう。
枕は柔らかめで個人的には好みでした。

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シートピッチは1160mmととても広い。
シートピッチが広く取られる場合は、ひじ掛け収納テーブルで広さを補うのだけど、NEXでは座面裏テーブルを引っ張って補う。
座面裏には他にフックと革張りのマガジンポケット、ドリンクホルダーが装備。

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ブラインドにも市松模様が。市松模様、個人的には好きなのでこれは良し。
窓も大きめに取られていて景観が良い。まぁこれは近年のJR特急のほとんどで共通することではあるが。


次は車内の他の部分を見てみる。

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車両の先頭部(運転室側)には大型の荷物置き場。
1両まるごとグリーン車に充てられているのに、座席が7列しかない理由の1つがこれだ。
ダイヤル式の荷物ロックが付いていて、盗まれる心配がない。これは列車内では初めて観た。また、荷物置き場と客席を仕切る扉はガラス製のため、車内から荷物置きが見える構造。荷物が見えるところにある、というのは安心できる。

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中間車側は、男女別トイレと多目的トイレ、多目的室のスペースが用意。グリーン車の近くにトイレがあるというのは、特急車両の恒例な気がする。
木目調の扉や左側のオブジェ(?)のおかげか、なんとなく高級感漂う感じ。グリーン車へのアプローチとして良いと思う。

 

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さ6両編成の成田エクスプレスグリーン車は成田空港寄り先頭車にある。つまり6号車、12両運転の場合、6号車と12号車の2両がグリーン車だ。


先頭車両にグリーン車となると、通常は普通車利用客の通り抜けを防止できるメリットがあるのだけど、連結運転を行うNEXでは意味をなさない気がする。分割運転の関係で仕方ないけど、12両中2両がグリーン車とはなんとも贅沢な割り振り。


ちなみに、この日の乗客は東京から乗ってきた紳士1名と筆者の2人だけ。空いてたおかげでいろいろ探検させてもらえました。

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さて、品定めをしていこう。


諸氏のブログを読んでみると、先代253系の座席種類の豊富さやチャレンジ精神に比べて、E259系は何たることかという意見が散見された。たしかに253系の座席はバラエティーに富んでておもしろかった。だけど僕は253系NEXに乗ったことが1度しかなく、253系の座席を楽しめてない。よって253系と比較して減点する材料にはならず。


改めて考えてみる。
4列シートはグリーン車にしては狭すぎる。これはNEXに限ったことではなく最近のJR特急全てに言えることではある。近年の車両は、グリーン車ならではの高級感やプライベート感に乏しいものが多く、もはやそれが標準的になってしまった。だが今回の場合、高級感は革張りシートとその快適さでクリアとしよう。

 

次に、先ほど褒めたフットレストについて。よくよく考えてみれば、これはグリーン車の装備としては微妙だ。
確かにリクライニングした時にちょうど良かったけど、その時だけちょうど良いのは装備としてどうなのか。フットレストは位置が好きな位置で固定できないし、その体制ではない時は不要な装備であるためとても限定的。他の記事でも僕はレッグレストを好むと言ってるけど、やっぱりそうだなと改めて自覚した(笑)。


だがもし僕が推してるレッグレストを導入する場合、椅子下は荷物置きとしては使えなくなる、ということになる。かと言って足元に何もないと普通車との差別化ができない。その結果、フットレスト装備に落ち着いたのかもしれない。
そう、そもそもNEXは日本人観光客をメインに考えられてはいない。でも、日本人観光客も楽しめる車両でなくてはならない。そこが難しい。

 

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続いて料金。
今回乗車したのは新宿~千葉間。グリーン車料金は3560円で、さらに乗車券代が上乗せされる。
同じ区間を普通車で利用すると、特急料金は1290円だ。普通車の倍以上のお金を払って乗る価値があるかと聞かれると、割高感がどうしても感じてしまうだろう。
僕はキャンペーンで普通車を半額で利用した人間なので、余計に高額に感じられます(笑)。でも乗車券含めて5000円近くなるのは、やっぱり高い。

 

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成田エクスプレスの最大の利点は、その路線網を駆使して各地へ発着していることにある。煩わしい乗り換えの手間から解放され、空港から離れた各地へ座ったまま移動できるのは非常に便利だ。その点と料金を天秤にかけた時、グリーン車を選ぶに至るかは人それぞれだろうけど...。コスパを考えると僕は選ばない、という結論に至った。
空気輸送と皮肉られるほどだから普通車も空いているし、その普通車も広くて快適なのでなおさらそう感じます。ただただ高い、の一言に尽きますね。


というわけで評価終了、もう乗ることはなさそうです。


ちなみに訪日観光客にはJAPAN RAIL PASSというお得な乗り放題パスがある。その利用者向けの座席なのではないかなと。訪日客にはお安く快適なおもてなし、ということかもしれない...。



今回はこの辺で。


 

 

 










ルフトハンザドイツ航空 B747のビジネスクラス搭乗記

ルフトハンザドイツ航空 羽田-フランクフルト線のビジネスクラスの搭乗レビュー。

 


搭乗便:LH717便 羽田(HND)→フランクフルト(FRA)
機材:Lufthansa(ルフトハンザドイツ航空) Boing747-8(D-ABYH)


2023年現在、羽田空港に唯一乗り入れているジャンボジェット、それがルフトハンザドイツ航空B747-8。ジャンボの退役が進む中、羽田から乗れる機会があるだけでも貴重なのであります。

 

羽田からフランクフルトまで、ビジネスクラスに搭乗してきたレビューを綴っていく。

 

 

 

2階建てになっているジャンボジェット。ビジネスクラスは2階と1階両方にあるが、搭乗したのは2階席。

 

♢機内データ(2024年現在)
座席:2+2配置
フルフラット:〇
隣席との仕切り:×
荷物収納:◎
コンセント:〇(変換プラグ必須)
アメニティ:LOCCITANE、枕、毛布
機内エンターテイメント:〇(日本語対応)
CAさん、機内の言語:△
その他:ミネラルウォーター、エコバッグ

 

 

座席は、通路を真ん中に2+2で配置されている。椅子は互い違いに角度を変えてあり、隣席の人と足を合わせてV字を描くような構図で座席が並んでいる。

レッグレスト付きのリクライニングチェアのような見た目の椅子だ。完全にリクライニングを倒せば、フルフラットになる。前座席の後ろ部分と一体となり、大人1人がくつろげる空間が生まれる。

 

就寝用の枕と毛布が用意。座席裏ポケットにはミネラルウォーターとLufthansaロゴ入りエコバッグ、アメニティはLOCCITANEだ。

座席の間にコンセントがあるので充電ができるが、早速ドイツ規格なので変換プラグが必要だった。テレビ・オーディオコンテンツは日本語の用意がある。つまらない14時間を過ごすことはなさそうだ。

 

窓側のデッドスペースは荷物入れ。頭上の荷物入れに加えて、自分の真横にも荷物スペースがあるとは。利便性が高くて使い勝手が良いし、ふたを閉めれば物置く台などとして使うことが出来て便利。

CAさんは、ドイツ語、英語を話される方が多い。日本路線だから日本人CAも搭乗しているが、この日は1Fの担当だったよう。
機内放送は日本語も流れるが、料理のメニューなどは英語/ドイツ語のみだった。



 

 

ではここから、旅のレビューを。

 

飛行機は、定刻より30分ほど遅れてプッシュバックを開始した。

大型機特有の安心感、慣れない2階席の目線を味わいながら、羽田空港を飛び立った。ドイツ・フランクフルトまで約14時間の旅の始まりであります。

 

 

 

ベルト着用サインが消えると、まずはウェルカムドリンクを尋ねられる。早速ドイツビールをオーダー。

ドイツはビール大国。原料について定めた"ビール純粋令"は、世界的にも有名だ。澄んでいて色が良く、口当たりはキレがあり、とにかく美味い。

 

 

日本の航空会社のように、ビジネスクラスアテンダントによる丁寧な挨拶はない。でも定期的に行き来して気にかけてくださるので、サービスが足りないとは感じなかった。フランクで接しやすく、サービスが行き届いている。日本ほど硬くなりすぎない感じがイイ。

 

 

1回目の食事

2回目の食事

機内食は、離陸後と着陸前の2回ある。
離陸して約1時間半後と、着陸2時間前を目安に提供された。洋食、和食の用意があり、せっかくなので洋食をチョイス。

しっかりしたフルコースで、どれも美味しい。パンや飲み物のおかわりなど、こまめにお声がけいただけたので、ゆっくりと充分に満足できる食事を楽しめた。

 

また、それ以外の時間に食べる間食用のメニューも種類が豊富。
ただ、筆者は出発前のラウンジでお腹を満たしていたので控えた。上位クラスの座席は食べ物に困りませんね(笑)。お腹の空き具合を考える、これは初めてビジネスに乗って得た教訓になりました。

 

 

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機窓

窓からの景色。

1枚目から順に、離陸後1時間、2時間、9時間くらいのものだ。

 

日本―ヨーロッパ線のほとんどは、ウクライナ戦争の影響で航路が変わっている。
通常、日本の北西に飛んでロシア上空を経由するのだが、現在は太平洋・北極経由で運行されているのだ。

3枚目は北極付近、グリーンランド北側付近の機窓。ぼんやりとした景色は、北極付近ならではの機窓だったりするのかな。高高度、そして極地であるからか、機窓はいつ見ても美しいものだった。

 

大型機ゆえか、揺れはとても少なくすこぶる快適。フルフラットになる座席でゆったりくつろぎながら空の旅を楽しんだ。

 

 

離陸から14時間、ヨーロッパでも有数の巨大空港、フランクフルト国際空港に降り立った。

日本では朝方3時、現地時間では19時くらいになる。
食べてばかりで動かなかったから、お腹が重い。そこに時差ボケによる眠気が重なり、足がおぼつかない。現地時間が夜なので、このままホテルで寝ればいいのが救いだった。国際線、ビジネスクラスをスマートに乗りこなせるようになりたいなぁ(笑)。

 

 

35000ftをひたすらに飛んだ14時間。横になって空の女王に身を預ける、贅沢で快適な空の旅は、忘れられない思い出となりましたとさ。

 

 

 

 

 

 

 

東武スペーシアX コックピットラウンジに乗ってきた!

東武鉄道の特急「スペーシアX」のコックピットラウンジに乗ってきた。

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東武鉄道の看板特急スペーシアの進化版として登場した「スペーシアX」。


スペーシア号が培った伝統やコンセプトを継承しつつ、より進化した快適さと居住性を提供すべく誕生した。
プレミアムシートやラウンジといった新たな座席タイプと、個室、半個室、スイートルームの3種類の個室を用意。6両で6種類の座席が提供されている。


今回は、スペーシアXのコックピットラウンジに乗ってきたのでレビューを綴りたい。


 

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♢車内データ(2024年現在)
座席:2+1配置
座席数:20
シートピッチ:概念がない
快適装備:ソファ座席・クッション・荷物入れ
テーブル:ソファテーブル
コンセント:有
車内販売:カフェ併設、カウンターでオーダーする方式

 

 

コックピットラウンジは、名前の通り先頭車にある。日光・鬼怒川寄り先頭1号車まるごと1両がラウンジだ。先頭車を"コックピット"と言い表すの、良い笑。

 

車内はまさにラウンジと呼ぶに相応しい空間に仕立てられている。

紫の絨毯が敷かれた部屋に高さ低めのソファーが並ぶ。圧迫感のない天井とやんわりと、明るくしてくれる間接照明。窓が多くて開放的、デザインは控えめながら細部にまでこだわっているのが感じられる。

1人席、2人用(1+1)テーブル席、4人用(2+2)テーブル席の3種類。
席はテーブルごとでの売られているので、1人で贅沢に使っても、家族・友人と乗っても良いだろう。
運転席すぐ後ろに1人席が配置されているのだが、座ったままでは前面展望は見えにくそう。そこがとても残念でもったいない...。


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椅子は低め・硬めのソファ席。
長時間座っていても疲れにくく、クッションと合わせることで好みの体勢でくつろぐことができた。
窓は珍しい六角形型で、ブラインドはなくカーテンで遮光する。こうして一部だけ切り取ると列車の中とは思えない、そんな空間だ。


驚いた点は、このソファは固定されていないこと。

電車の椅子って、急停車に備えて固定されているのが一般的だ。しかしこの椅子はフリー。
聞いたところ、急ブレーキの時でも動かないようになっているらしい。ちょっと椅子を前に出そうかな...ってことが出来ちゃうわけですが、それなりに重く、ちょっとやそっとじゃ動く椅子ではなかったです(当たり前)。


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壁掛けのライトは竹細工をイメージしたデザイン。スペーシアXは伝統工芸や銘品、東京と日光・鬼怒川の特色が車両の各所に織り交ぜられているため、細かい部分も見所である。お互いが主張し過ぎず程よい匙加減でまとまっているのが良い。

客室からは窓ガラスを隔てて運転席が見える。見せることを意識して設計されており、例えば乗務員カバンは専用のボックスにしまうなど、展望にこだわった設計がされているとのこと。ガラスが綺麗で、見通しが良かった。


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こちらは車端部にあるカフェ。「GOEN CAFE(ごえんカフェ)」という店名は、旅にまつわる"ご縁"を願って付けられたもの。列車に車内販売はなく、飲食物の提供はここでのみ行われている。

メニューはコーヒーや軽食のほか、酒類の提供も行っている。売られているものはみな日光・鬼怒川にゆかりのあるものばかり。メニューのリンクを貼るので参照して欲しいのだが、とりわけお勧めしたいのは酒蔵とコラボした酒粕のバターサンド。これが大変美味だった。あとは、スペーシアXが描かれたラングドシャ(クッキー)。ヨックモックだから味は間違いない。記念品としてもオススメだ。

メニュー:https://www.tobu.co.jp/spaciax/assets/img/cafe/menu/goen_menu.pdf



ちなみにカフェ利用は、この車両の乗客に限られている。他の号車に乗車の方は、インターネットで整理券を入手した方のみ利用可能だ。先着順なので要注意。


こうして利用者数が限られているのは、ラウンジ利用客としては嬉しい配慮だ。喧しくなることがなく、終始ゆったりした時間を過ごさせてもらえた。購入客でワイワイガヤガヤしたら敢えて乗ってる意味が...となりそうなので笑。


 

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この日の天候は晴れ。窓が大きい、椅子の背もたれが低い、そして運転席の先も見通せることから、景色を広々と見渡している実感がある。前に映った景色が横に流れて消えるまでを、しっかりと目で追える感覚は、今までの鉄道車両では味わったことない。開放感が感じられてとても良かった。


それだけに、立ち上がらないと前面展望がしっかり見えないのは惜しいポイントかな。東武鉄道も前面展望が出来ることを推してないので、そこにこだわってないだろう。でも、勿体無い笑。

今回乗車したのは浅草から乗って日光まで、約1時間50分ほど。本当にあっという間の乗車旅。大満足でスペーシアXを降りた。



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最後に、お金の話。
料金体系は、普通席とプレミアムシートで分けられている。例えば浅草〜日光は普通席1940円、プレミアム2520円(運賃別)だ。
そしてラウンジや個室は、プレミアムシートの価格にさらに特別座席料金が上乗せされる。ラウンジはお値段は1人席で200円。4人席で800円だ。

安くないか?安すぎる。3000円でこんな贅沢で快適な旅をして良いのだろうか。広々ゆったり快適に移動できるこの空間が、数百円の追加料金とは恐れ入った。このラウンジはお得感がかなり高めな車両だと思う。




こんな車両が一般特急車両として登場するとはね...。良い意味でやり過ぎ。ビアサーバーを電車の中で見たのは初めてでした笑。方向幕がもはや行き先表示だけでは無くなってるのも斬新です。
観光特急のハードルを上げてくれたスペーシアX。これを超える新型特急は現れるのでしょうか。



今回はこの辺で。

 

 

 







 

函館本線 藤城・砂原支線に乗ってきた―前編―

JR北海道 函館本線の支線、藤城支線・砂原支線に乗ってきた話。

 



JR函館本線には、2つの支線がある。

まずは、函館付近の地図を見てみよう。

 

函館本線の地図

2つの輪があり、8の字を描いている函館本線

本線は、左半円を描く路線だ。右半円の路線が支線となっている。

 

・下側 右半円、新函館北斗通らないのが藤城支線(下り専用)

・上側 右半円、大きなカーブを描くのが砂原支線

である。

 

両円の交点は南(地図下)から順に、七飯(ななえ)駅大沼駅森駅だ。

 

 

 

 

2つの支線の由来は、本線を複線化する際に勾配が緩いルートを選んだこと。勾配のキツさが異なっており、貨物列車は緩い方を経由して走っている。

 

・下り 札幌方面行き : 藤城支線本線(駒ヶ岳)経由
・上り 函館方面行き : 砂原支線本線(新函館北斗)経由

 

これが勾配が緩やかなルートだ。当初、特急列車などもこの経路で運転されていた。

しかし、エンジン性能の向上やら観光地である大沼公園を経由したいなどの理由で、砂原支線経由はやめられ、本線経由に変わる。下りのみを藤城支線経由にしていたものの、新幹線開業により、特急の全列車を新函館北斗駅に停車させることに。よって現在は、

 

●貨物

・下り 札幌方面行き : 藤城支線本線(駒ヶ岳)経由
・上り 函館方面行き : 砂原支線本線(新函館北斗)経由

 

●特急

・下り 札幌方面行き : 本線経由
・上り 函館方面行き : 本線経由

 

となっている。支線はごく一部の普通列車が通るのみとなってしまった。

 

 

 

 

本題。

 

1日1本だけ、この2つの支線を両方とも経由する列車がある。それが函館駅5時49分発 森行きの、5881D列車だ。

この列車に乗車して、函館本線の2つの支線を乗ってきたのでレビューを綴っていく。

 

 


 

 

 

オタクの朝は早い。ホテルの朝食バイキングを蹴って、早朝の函館駅へやって来た。

早速、お目当ての始発列車、5881Dに乗り込んだ。

車両はキハ40系、1両編成での運行だ。この日乗ってた人は10人程度、うち自分含め3、4名は旅人に見える。

 

定刻通り5時49分、列車は函館駅を出発。寝台列車がいた頃に比べると寂しくなった函館車両基地を横目に、北へ。

 

五稜郭、桔梗、大中山と停車、この辺は眠くて記憶がない(笑)。

そしていよいよ七飯駅へ。この七飯駅で、藤城支線に分岐する。

 

 

駅を緩やかに出発、ポイントを通過すると一気に加速していく。

列車は坂を上り、レールは高架線に。本線と並行して進み、東へカーブして本線を跨ぐ。

この藤城支線、先ほど述べた通りで下り専用の支線だ。本線より勾配が緩やかというけど、この高架橋を上っている感じ、そんな印象は受けない。

 

 

が、実際のところ本線の勾配はもっとキツい。
七飯~大沼間の本線の最大勾配は22.5‰で函館本線で最も急だ。藤城支線は9.5‰に抑えられていて、これなら貨物でも乗り越えられる、ということだそう。

 

 

 

横津岳(よこつだけ)の麓、七飯町の城岱(しろたえ)牧場のある丘を走る。少しずつ標高が高くなるため、函館方面を見れば広がる平野を見渡せた。

 

木々の間を抜けていく、ちょっとした山登りのようなルートだ。この支線に駅はなく、列車は快調に走っていく。

 

しばらくすると進行方向左側に、大沼が見えてきた。

 

 

道立の自然公園の一部となっている大沼。背景に見えるは大沼公園のシンボル、駒ヶ岳

 

これが見えたらまもなく大沼駅だ。本線と合流し、大沼駅3番線に入線した。

 

 

 

大沼駅では14分の停車時間がある。

その時間で上り列車と交換、そして特急北斗1号 札幌行きの通過待ちが行われる。

 

 

あまり触れなかったけど、乗ってる車両はキハ40だ。

これは全国的に数が減っている国鉄気動車。北海道ではまだ現役バリバリ...ではあるが、新型気動車の置き換えが進行している状況。これが最後の乗車になるかもしれないし、撮れる機会も多くない。

交換列車や停車中の写真、なかなか来ることがない大沼駅など、写真に収めて見学しながら、発車を待った。

 

 

後編につづく