ウィーンはオーストリアの首都。オーストリアはヨーロッパはドイツの南にあり、面積は北海道程度、人口1000万人に満たない小さな国だ。
ウィーンといえば歴史と音楽の街。
街を歩けば音楽が聞こえるし、舞台や演奏会といった劇場公演の勧誘の声がかかる。小さな街にいくつも劇場があり、どこかで毎日何かしらの演目が公演されている。つまり、それほど芸術がフレンドリー。日本の感覚で訪れた僕には、新鮮かつ衝撃的だった。
ウィーンの街を体験するのに、オペラ座を外すわけにはいかない。
演目は「若きウェルテルの悩み」。“ウェルテル効果”の元になった悲劇のストーリーを観劇した。
♢訪問データ
予約:https://www.wiener-staatsoper.at/ よりインターネット決済(渡航前に購入)
価格:17~242€
座席:指定席
決済:クレジットカード
ドレスコード:なし(フォーマルめが◎)
アクセス:U Bahn(ウーバーン(=ウィーン地下鉄))Oper, Karlsplatz(オペラ, カールスプラッツ)駅
オペラ座外観。荘厳で気品ある外観を眺めて楽しむ。1869年オープンのオペラ座こと「ウィーン国立歌劇場」。
ルネサンスの思想、すなわち古代ローマ等の文化に倣ったネオルネサンス様式で建てられ、内外とも美しく見応えある建築物。日本ではなかなか味わえない、芸術品として建物を見る楽しみがある。
入館に当たり、ドレスコードは特にない。
でも一応、ジャケットを羽織ったフォーマルめな服装で入館。ラフな格好の方は見られなかったので、これは正解かもしれない。
オペラ座内部も、とても美しく、それはまた見応えがある。西洋貴族の洋館的なインテリア(語彙力)は、まさに紳士淑女の社交場といった雰囲気。ジャケット来て背伸びしただけのクソガキは、全く馴染めていなかったに違いない(笑。
劇場内。
舞台にはメインの場とオーケストラピットがあり、公演は全て専属のオーケストラによって生演奏される。
そして、その舞台を囲うように座席が、1階から6階までずらりと配置。総席数は2000席ちょっとだ。
座席グレードは様々あり、値段もピンキリだ。
ちなみに1番お安いのは立ち席。ふらっと観劇出来ちゃう、気軽な席があるのもイイ。
今回利用したのは5階席。値段は89€、当時のレートで12000円程度だ。そこそこ良いお値段を払った。
下の階の席を選ばなかったのは、単純に空席がなかったから。1ヶ月前予約にも関わらず、1、2階はほぼ満席。ちなみにこの翌日の公演「ハムレット」は、すでに満席という人気ぶり。
世界中から紳士淑女が集う場ということだ。そこに訪れられたことを改めて実感する。
座席は少し小さめ。幅は広くなく、肘掛けも細く、荷物を置く場に困る。
小柄な日本人がそう感じるんだから、ガタイのいい海外の方々には窮屈に感じるだろう。
また、階段が急で、柵も低い。つまり、それだけ舞台が見やすいということ。オペラに集中できる環境が整えられていた。
また、全席に小さなモニターが完備。
公演はドイツ語だが、ここではリアルタイムで字幕を表示してくれる。日本語の用意もあるのは嬉しい。
がしかし、日本語文法に難ありでわかりにくい箇所もちらほら...。作品を予習してから観劇するのがオススメだ。
オペラ公演は、前後2部構成。
幕間の中休みには、館内にある小さなホールへ移動し、軽食ビュッフェを楽しむのが一般的だ。ここではオードブルやワインなど、立食ビュッフェが供される。支払いはその場でクレジット支払いだ。
休憩時間は30分。ビュッフェは大変人気で行列ができる。楽しみたい方は事前に動線を確認しておくと良いだろう。
ビュッフェの行列に並ぶ気が起きなかったボクは、せっかくなので館内探検(笑。他の階の席やエントランスなど、どこを取ってもアーティスティックなオペラ座を見て回る。
実はここ、映画ミッションインポッシブル-ローグネイション-のロケ地でもある。イーサン・ハントがこじ開けた扉や、ベンジー・ダンの「タキシード似合うぞ」の撮影場所を特定したりして、聖地巡礼を楽しみ(笑)、幕間休みを終えた。
初めてのオペラ観劇を終えて、オペラの良さ何となく知った気持ちになる。
だが、歌唱を聴きながら字幕を追い、予習したストーリーを辿って重ねるのはエネルギー消費が激しく、体が追いつかなかった。
でも、彼らの美しき歌声と生オーケストラのセッションは素晴らしく、とても魅了された。
芸術に触れてみるのは良いもんだ、としみじみ感じられたのでした。
体験できなかったこと、し損ねたことも多くあったけど、僕にとっては初ウィーン、初オペラ座。“感じ”がわかっただけでも収穫は大きい。
モットーは同じ旅先に2度行け。初めて行く地こそゆったりと、余白があるから楽しめる。これがひとり旅の醍醐味。
初めて旅しようと思案する方に、ほんの少しでも“感じ”をお届けすることができたら嬉しい。
今回はこの辺で。