255系の普通車に乗ってきた話。
JR東日本の255系。
国鉄車の置き換えと列車のイメージアップを図り1993年にデビューした車両だ。民営化後、JR東日本が単独で作った形式としては651系、251系、253系に続く4つ目の車両に当たる。
房総ビューエクスプレスの愛称を付けられてデビュー。それは青、黄色、白を用いた「房総色」登場の瞬間でもあり、新しいカラーを印象付ける車両となった。
特急「わかしお」「さざなみ」をはじめ、かつての「しおさい」やかつての「あやめ」など、東京から千葉県の各地を結ぶ列車として活躍中の車両であります。
♢車内データ(2024年現在)
座席:2+2配置
シートピッチ:970mm
快適装備:リクライニング
テーブル:ひじ掛けに収納
コンセント:無
車内販売:無
その他:足元にフットレストらしい装備あり
年季を感じながらも、スタイリッシュなインテリアの車内。床は塩ビだろうか、シンプルというか、このタイプの床は初見だったのでびっくり(笑)。海帰りで床を汚してしまっても清掃しやすいということだろうか。
座り心地はフカフカでイイ。背もたれが窪んだ造形だけど、お尻から背中へのフィット感がもう少し欲しいかな。
座面裏はマガジンポケットのみ。足元には足を乗せられそうなバーがあるけど、これはフットレストなのか...?テーブルは肘掛けのみでドリンクホルダーもない。シンプルデザインで見た目スッキリだが、利便性は△。
また、カーテンはフリーストップ式。立て付けが悪く、シワになっていたりする。網棚がシースルーで、荷物が見やすいのは良かった。
ビュー特急というものの、そこまで窓が大きいわけではない。これは有名な話で、253系の車体と共通だからそこまで大きくできなかったとか。
しかし、実際座るとそこまで展望が悪い印象も受けなかった。縦方向に大きい分、低い位置に座っているかのような、より多くの景色を視界に取り入れている感覚があった。
VIEW特急って言うから良くないのかな。255系の先輩には251系スーパービュー踊り子がいるのだから...。
また、車内の電光掲示板は3色LEDのもの。年季を感じるデジタル時計と並んで配置されていた。651系とか、平成初期の特急にあったものと同じものかな。この時代の列車は共通部分が見られるものの、各車両にしっかり個性があって、観察するととても楽しいものですね。
列車は、送風機類の音、ジョイント音やモーター音もそれなりに聞こえてくるし、そこそこ揺れる。柔めな座席に身を預け、そうした音を聞きつつ、車窓を眺めるの乗車旅。良くも悪くも、静かで快適な今の特急らしくなく、ローカル線を旅しているかのような気持ちに落ち着いた。
そんな乗り味とは対照的に、改めてデザインの素晴らしさに感動する。
新しい特急車両と比べても、見劣りしないスタイリッシュさ。車両コンセプト、インテリア、就航路線へのイメージ等がうまくまとまっていてイイ。国鉄色ばかりで味気なかった房総方面に、このカラーイメージを定着させたのはこの255系だ。廃れないデザインの素晴らしさやデビュー当時の勢いが感じられる車両に思えたのでした。
今回はこの辺で。