全国には多くの列車が走っているが、中でも個室が付いている列車というのはとりわけ少ない。個室がある列車は、700系(レールスター車両)、E261系サフィール踊り子、東武スペーシア、近鉄しまかぜくらい。つまり、数える程しかない。
JR九州の787系もその1つ。乗車する機会を得たので、レビューをしていく。
今回選んだのは「特急きらめき」。小倉から博多まで乗車する。
787系充当列車は時刻表等で確認できる。787系はグリーン車がない編成もあるので、そこだけ注意して列車を選んだ。
グリーン車は1号車。デラックスグリーンという名前が付いている。
787系のグリーン車は3タイプあり、座席タイプ、ちょっと豪華な座席のDXグリーン、そしてグリーン個室の3種類が、この1号車に詰め込まれている。
入口・デッキからすでに洒落た車内。インテリアもさることながら、照明の使い方がなんとも素晴らしい。
グリーン個室は窓際に座席が1席、壁際に3人掛け用ソファ、テーブルもある。
壁面は漆塗りオレンジに似た明るい色。夜の乗車ということも相まってオシャレな雰囲気だ。
壁にはちょっとしたアートも飾られていて、間接照明が優しく灯る。全体的に明るくはないが、逆に煌々と明るいのも困るのでこれで良い。バーにいるかのような雰囲気で、旅情としては充分だ。
ドア裏にはオーディオパネルっぽいものが備わっている。
照明のスイッチや明るさが調節できた。オーディオサービスはすでにサービス終了しているため使用できない。
パネルの下にはスーツケース収納スペース、奥にはコンセント。また、パネルに横にはコートなどを収納できる場所もあった。サービスが充実していて良い。
テーブルは艶のある綺麗なもので、折り畳みを広げると2倍の大きさにすることができるもの。
1席だけあるこの座席は、普通のグリーン車と同じ座席だ。座席真上にライトがあり、スポットライトで照らされるような仕様になっていた。
787系のグリーン座席は、フリーストップのリクライニングとひじ掛けの中にミニテーブルがある仕様。ヘッドは背もたれと一体ではなく、独自に動かすことができる。よって、いっぱいにリクライニングを倒しながら頭だけ起こす、みたいな姿勢を取ることが可能だ。
座面のクッションは柔らかめで良い。適度に沈み込んでくれるため快適さは充分で、いろいろな姿勢に対応してくれる点がとても良い。変わった座席ではあるが、グリーン座席として一定の水準は保たれているように感じられた。
ちなみに座面の柔らかさはソファの方が勝る。まぁ当たり前か(笑)。
大きめの窓で景観も良く、室内の照明を落とせば夜の車窓を眺めることができて楽しい。ブラインドもあるため、閉めて個室を思い切り楽しむもヨシ。これをひとり旅で味わう贅沢、たっぷり堪能して乗車を終えたのでした。
最後に料金のお話。
実はこの個室、料金が比較的リーズナブル。ひとり旅利用だったけどそこまで高額な料金ではないことをお知らせしたい。
この個室は部屋単位で販売されている。料金は2人分のグリーン料金に相当し、その額さえ支払えば1人でも利用できることになっている。
今回は小倉~博多間の乗車で乗車券+3000円ちょっとしかかかっていない。こんなにお得感高めなグリーン車は他にないだろう。
グリーン車と名乗っていながら、お値打ちと思える価格。しかも、個室ありの列車本数が多く、比較的乗りやすい。今回利用した小倉~博多間は値段も乗車時間もちょうど良く、個人的にはかなりオススメだ。改めて、九州の列車が好きになるような乗車だった。また乗りに行きます!
今回はこの辺で。