行ったことのない地に行くのが旅。
日本の最西端、与那国島に行ってきた。
♢現地データ(2025年現在)
場所:与那国島(八重山列島の1つ)
住所:沖縄県八重山郡与那国町
人口:約1600人
面積:約28.8㎢
1周:約27.5km
最高標高:231m(宇良部岳(うらぶだけ))
アクセス:飛行機・フェリー
交通手段:バス、レンタカー、タクシー、レンタサイクル
♢距離
東京から約1900km
沖縄本島から約510km
石垣島から約130km
台湾まで約110km
羽田空港から石垣島へ、そこから小型機を乗り継ぐ。
東京から5時間かけてたどり着いた。
与那国島は東京から1900km、沖縄本島からでも500km離れた、日本最西端の地。
沖縄からでも東京〜大阪(約550km)くらい距離があるのだから、どれだけ遠いのかがわかる。
この日の最高気温は16℃。
1月の訪問だが、寒さが全くないのは予想通り。
気候は1年を通じて暖かい。この日の気温16℃はそこそこ寒い方に入るそうだ。
島の観光手段は、バス、レンタカー、レンタサイクル。
今回はJALが貸し出すレンタサイクルを利用し、半日の与那国島サイクリング旅をすることにした。
1周30kmの観光しやすさ
島は1周30km、島内には8の字型に道路が敷かれている。中心を境に、東側と西側に分けられる。
聞いたところ、半日観光でサイクリングするには、東か西かの片方がオススメ。
西側が比較的周りやすいとのことだった。
西側は1周約10kmのコース。夕方には島を立つ自分にはちょうど良さそうだ。
空港を出発して祖納➡比川➡久部良➡空港の経路で周ることにした。
今回お世話になったのは、JALが行うレンタサイクルサービス。
空港のJALカウンターに伺うと、なかなか本格的なロードバイクを借りられた。
空港の方々にオススメ観光スポットを教わり、いざサイクリングへ。


ロードバイクで走る与那国島。
土地の香りや風を身体で感じながら走るのは、気分爽快で素晴らしい。
海に囲まれた島だから、島内は風が強めだ。でもそれが気持ちいい。
チャリってこんな楽しかったっけ、なんてね。
昼食は祖納にある「てんだ花」さんで与那国そば。
島は、"与那国そば"と"あざみそば"が名物。どの店もランチの時間が短いので、昼食タイムには注意されたい。
また、島内は意外とアップダウンが激しい。
島の南側には宇良部岳が連なっており、丘や山などで少しだけ標高が高い。
そこまでキツい坂ではないが、自転車×運動不足の掛け算でちょっと堪えた(笑)。バイクの重量が軽いのと変速ギアが助けてくれた。





島の西半分にも、いくつか観光地がある。
ドラマ「Dr.コトー診療所」のロケ地となった診療所、比川浜や西崎(いりざき)などを巡っていく。
中でも個人的に興味深かったのは西崎。
ここは、与那国馬という固有の種が放牧されている牧場。島内にはこういう牧場がいくつか存在する。
牧場内を生活道路が通っており、自由に入退場、フリーで見学ができた。
海面から100mの断崖絶壁で草を啄むウマ...というなかなか珍しい光景。穏やかでポニーサイズの与那国馬たちの姿を、間近で楽しめた。
日本の最西端の地


辿り着いた、日本最西端の地。
ここは唯一、到達可能な日本の端っこ。石碑が立っていた。
この日この時、日本で1番西にいるのは自分。果てまで来たもんだ。
でも、思えばここには案外簡単に辿り着くことができた。半日とかかってない。
はるか昔に学校で習った最西端の島。
島へ行くことってハードルが高いように思ってたけど、そこまで高いものではなかったな。
西崎灯台は、日本最西端の灯台。
登れる灯台ではないけれど、ここに来られたのは何かの記念になる。
水平線を見ると、薄っすらと陸地が見えた。111km先の台湾だ。気候といい雰囲気といい、日本のようでどこか日本じゃない感(笑)。
また、ここには国立科学博物館のプロジェクトの記念碑もあった。
このプロジェクトは、日本人の祖先、最初の日本列島人の航海を再現したもの。3万年前の船を再現して行った実験航海で、台湾から海流に乗り200km超えの航海を成功させていた。
偶然だが、僕はその実際に航海した船を、国立科学博物館で見ている。
あぁ、あのプロジェクトはここでやったのか。旅先ではこういう思いがけない繋がりや発見があったりして楽しい。
最西端の地、風はとても強い。
何も遮るものがないため、海風がストレートにぶつかってくる。展望台の淵に立って海の方へ少し身を乗り出すと、呼吸が苦しくなるくらいに風を浴びた。
決して凪ではない海をよくまぁ渡ったものだ。先人たちとそれを再現した方々への勇気と行動に尊敬する。


最西端を出てからは、海を見ながらゆっくり空港へ戻る。
やっぱり海がとても綺麗。美しい浜を1人でゆっくりする時間も取れた。
また、岩肌や荒野など、本州で見るものとも違う自然の様も見られる。
島の自然の美しさは圧巻。バイクで走るから、それらがより肌で感じられたのかもしれない。
この気持ちを言い表せられるほど日本語達者じゃないのが悔やまれる。
半日の滞在で、島の半分を巡った。
島の東側や、現地の方と交流するには時間が足りなかったけど、初めての離島体験にはちょうど良かった。
賑わう観光地も、大きなショッピングモールもなく、島と暮らしがあるのが離島の魅力。
「その土地の雰囲気をちょっとだけ味わって、ちょっとだけカバンに詰めて帰るのが、ひとり旅の醍醐味であり最高の贅沢...」と誰かが書いていたのをふと思い出す。
最高に贅沢な体験をさせてもらいました。