れいるのおと

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E655系和 VIP車両の乗車記

JR東日本 E655系和(なごみ)。VIP車両の乗車記。

 



皇室が使うため特別に運転されるお召列車。
その専用車両として開発された、E655系和。
E655系は、皇室が使う特別車両+5両=6両編成でデビュー。全車グリーン車の豪華仕様だ。

特別車両を除いた5両は、一般にも乗車できる。
今回はE655系乗車ツアーに参加。3号車「VIP車両」に乗車したレビューを、座席の紹介、3号車の紹介の順に綴っていく。

 

 

3号車「VIP車両」の客室

♢車内データ(2025年現在)
座席:2+1配置
シートピッチ:1160mm
快適装備:リクライニング、レッグレスト
テーブル:ひじ掛けに収納
コンセント:
車内販売:ツアーにより有
その他:革張りシート

 

客室の仕様は、E655系全車両で同じもの。
和室をイメージして造られた客室は、木材や石材が用いられており、暖かさと落ち着きと気品がある。
木目のインテリアに暖色の間接照明、絨毯敷きの車内は広く明るく静かな印象を受けた。

また、市松模様枯山水など、日本人が長らく愛してきた模様も各所で見られる。
荷物棚も航空機のようなハットラックタイプで視覚的な邪魔をしない。重厚感は控えめながら凛としていて格式高い感じ。和にこだわった和洋室と言ったところか。

 

 

3号車は他の車両と異なり、全て革張りの座席が使われている。
しっかりと張りがあって滑らかさもあり、高級感がある(たぶん本当に高級)。2+1配列で3列、わずか9席だけの特別な空間だ。
リクライニング、レッグレストは電動で展開。好みの体制でくつろげる。
ひじかけに収納されたテーブルが小さいのと、ドリンクホルダーが遠く感じたけど、あまり問題ではないのかもしれない。

かつてはモニターがひじかけに収納されており、車内エンターテインメントが提供されていた。
現在はQRコードを読み取り、スマホから楽しむ仕様に変更となっている。
運転席からの展望をリアルタイムで閲覧でき、現在位置なども確認できた。車内販売はツアー列車によって設定有無が異なるそうで、乗車した列車では提供がなかった。

 

 

個室を備える3号車の造り

E655系の3号車は、VIP車両と呼ばれている。
全車G車のE655系だが、この3号車はさらに高いグレードという扱いである。
違いを表すなら、

一般的な特急のG車 < E655系ハイグレードG車 < VIP車

という感じ。

 

VIP仕様なのは、車内の構成と座席。3号車は、一般客が立ち入りできない「VIP個室」と、客室に分けられる。
前述の通りで客室はすべて革張り座席の特別仕様。そして、車両の半分以上がVIP個室に充てられており、客室は1/4程度しかないのが特徴的だ。

個室はカーテンが閉められており、室内を伺うことはできない。
ソファやテーブル、テレビなどがあるらしく、応接スペースやギャレーなどもあるらしい。

ご静養目的で移動される際など、天皇陛下がこの車両に乗車する機会もある。それに備えた装備、設えの車両なのであります。

 

3号車「VIP車両」の乗車料金は決して安くない。
1、2、4、5号車の乗車料金に比べて1~1.5万円ほど価格が上なのが普通。

ただ革張りシートに座れるってだけなので、正直高すぎると思うのだけど...

「皇室や要人たち、VIPの付き人の方々が使ういわば"準"特別車両に乗れる」

これだけでも貴重かつなかなかできない体験であり、乗れたことを光栄に思えたのでした。