
デビューから25年が経過する885系。
九州ではお馴染み水戸岡氏らによるスタイリッシュなデザインは、シンプルな色味ながら他に見ない強烈な個性を放ち、未だに色褪せないカッコ良さがある。
ドイツのICEにも似たデザインだが、これはICEのデザイナーに承諾を得て作られたとか。
そんな気合の入った特急車両885系は、博多を発着する各方面の特急で活躍中。
今回は日豊本線の特急"白いソニック"に乗る機会を得たのでレビューしたい。

♢車内データ(2025年現在)
座席:2+2配置
シートピッチ:980mm
快適装備:リクライニング
テーブル:ひじ掛けに収納
コンセント:有
車内販売:無
特急車両らしくない885系の内装。
これまた海外の特急車両っぽいような、飛行機の機内のような仕上げになっている。
金属、ガラス、化粧板の使い方は海外特急車両っぽい(笑)。無機質でスタイリッシュなのがカッコイイ。
細長い蛍光灯や間接照明が用いられがちな照明も、ダウンライトが並んでいてスマート。
ビジネス向け、レジャー向けとも違う独自の世界観でまとまっている。

座席はシートピッチ980mmのリクライニングシート。
デザインや形状が普通ではなく、相当気合を入れて作ったことが伺えます。
枕が張り出していて首にフィットするが、残念ながら高さ調整ができない。
背中に干渉してしまい、若干姿勢が取りずらいのだ。
よって、お尻をメインに体重を支えることになる。
ソニック号は高速で走るため乱暴に揺さぶられる。揺れに耐える乗車は、それなりに疲れを感じた。
また、座席の表皮はかつては革張り、現在は布地だ。
号車ごとに若干のデザイン違いがあるのも、特徴の1つ。



テーブルは肘掛け収納にのみで、座面裏にはない。
お弁当とかPCを広げるにはちょっと狭すぎるかな...。
コンセント、マガジンポケット、チケットホルダーなど、一般的な装備は揃っている。
また、飛行機のような荷物棚で視覚的な邪魔がない。
車内がすっきりした見た目になるのはイイ。

総評。
外装・内装とも、デザインはとても好き。
ICEやAudi TTなど、ドイツデザインの要素を取り入れているのは良い。
武骨な感じ、オシャレな感じとスタイリッシュさのバランスがカッコイイ。
水戸岡さんは木材を多用する印象が強いけど、こういうことも出来るのね。
その反面、乗り心地が硬く、よろしくない。
ある意味そこも海外車両らしい...といえばそうかもしれないけど。
また、九州らしさがちょっと薄いのは気になるところ。
車端部にギャラリーはあるけれど、ただのオシャレな特急車という印象が強い。
とはいえ、九州色を車両に織り込み始めたのは最近の話。
特急かもめのスピードアップを狙ってデビューした885系。躍動感は充分にあるので、これはこれで良いのかな。
個人的には昔の色も好きだった。
黄色復刻してくれないかな。(笑)。
