れいるのおと

旅、鉄道、飛行機、ひとり言。あれこれかじって語りたいだけのブログ。

御料車庫に眠る車両たち

天皇陛下が乗車されるお召列車。お召列車用の車両を保存する車庫の話。

 

DSC_0148

天皇皇后両陛下がお乗りになる列車、お召し列車
日本の鉄道開業時から運転されている歴史と伝統のある列車である。


非公開で保存されていることが知られている。
場所は、JR東日本の東京総合車両センター。こちらには御料車庫というお召列車用車両の専用車庫がある。現役のお召車両E655-1と過去の車両たちが、ここで保管されている。


MAPで観ると、位置はりんかい線の変電所の真横あたり。りんかい線本線のおそらくほぼ真上に位置している。

 



2023年4月時点で御料車庫で保管されている車両は以下の通り。

現役1両+保存車11両の計12両が保管中と推測。車籍を有りと確認できたものには、"保留車"と付けて記す。

 


・お召し1号編成(御料車1両・供奉車4両)(保留車)
御料車1、供奉車330、340、460、461が在籍。
御料車は3代目1号編成御料車として1960年落成。供奉車は2代目1号編成で使われていたもので、1930年代から活躍していた車両たち。お召運転時は5両で固定編成を組んでいた。
2002年を最後にお召し列車として運転されていない。書類上では尾久車両センターに配置。


・2号御料車(2代目)(保留車)
御料車2として在籍。
皇后様の御乗車用車両として1933年に製造、2号御料車としては2代目の車両。ちなみに初代の車両は、大宮の鉄道博物館に展示されている。1959年以来運転がない。尾久車両センター所属扱い。


・3号御料車(2代目)
太后の御乗車用車両として1936年に製造された2代目の3号御料車。3代目の1号御料車が完成後、2代目1号御料車が3号御料車となったため、玉突きで除籍される。


・3号御料車(3代目)(保留車)
御料車3として在籍。
1932年製造の元2代目1号御料車。3代目が完成したため、3号御料車へ改称。1号編成でともに活躍した供奉車4両は、3代目1号編成でも使用、現在も保存されている。


・13号御料車
元々は、明治天皇の御乗用として1898年に製造された初代3号御料車。一度除籍されたが復活し13号御料車を名乗る。現在車籍はないが、御料車庫保管の車両としては最古のもの。


・14号御料車(保留車)
御料車14として在籍。
皇太子の御乗車用車両として、国鉄スハ32系一・二等車のマイロネフ37290を改造して誕生。尾久車両センター所属扱い。


・貴賓車クロ157-1(保留車)
お召列車の簡素化を目的に、1960年に登場。御用邸への移動や国賓用車両として使用される。
最後の運転は1993年。以降は田町車両センターに保存されていたが、2012年にクモヤ143系牽引のもと、御料車庫へ。車籍は有したまま保存中。


・特別車両E655-1(現役のお召用車両)
2007年登場、1号編成の後継車両。主に天皇陛下のご公務での移動に使用する。外国からの国賓が御乗車することもあり、1号御料車と貴賓車を兼ねた役割を務める。

E655系尾久車両センター所属に対し、E655-1は東京総合車両センター所属。お召運転時は、E655系3号車と4号車の間に組み込まれる形で連結される。
初のお召し列車登板は2008年。現時点では他社路線での運転は例がない。

JR東日本HP、雑誌鉄道ファン他、複数資料より算出。

 

 

 

(過去)

 

・EF58-61(保留車→除籍)
2001年に最後のお召し列車を牽引。2008年から御料車庫で保管。書類上の配置は田端機関区→尾久車両センター(田端配置は2022年3月で廃止)。

※2022/10~ 鉄道博物館に移動、車籍を有したまま"寄託"扱いで展示保存
※2023/5/31 車籍抹消

 

www.railnoote.net

 

 



以上が御料車庫内保管とされる車両である。
(情報入手・確認でき次第、修正を加えるため、進展がありましたら提供いただけると幸いです。)

 


ちなみに歴代の皇室車両は解体されたものも多いが、博物館で保存される車両も多い。
11両の保存車たちは、車籍有りながら動きがないという曖昧な状態だが、本線上で活躍することはおそらくない。そもそも"引退"すら発表がないため、腹積もりすらわからないが...セオリー通りで行くならば何年後かに博物館入りが妥当だろうか。いつの日か、公に公開されることを願いたい。



今回はこの辺で。