赤いラインの東急8500系のうち、青帯のものが1編成だけいる。
東急8500系の8637F。1987年に編成まるごと貸切広告列車に抜擢されて以来、ずっと青帯のままの異端児として有名な車両だ。デビューは1986年なので、赤帯だったのはわずかな期間だけ。
特徴的なのは車体側面にも帯が巻かれていること。8500系といえば、帯は前面だけ、側面は塗装・帯なしのステンレスむき出しの車体だが、この車両はそうではない。側面にも青帯が巻かれ、これらは8500系ラッピング車両に多い傾向のように思われる。
2018年からは新たな広告が貼られ、扉が4色のカラフル仕様で走っている。
ここまで長い間ラッピングされている車両も珍しい。同じような例に、貸切広告車に抜擢されてから側面に赤帯を巻かれたままの8634F、「伊豆のなつ号」抜擢後、廃車まで伊豆急カラーの帯が巻かれたままだった8614Fが挙げられる。
ここまで来るともはやラッピングではないのかもしれない。帯色の統一が図られるこの現代で、広告以外でこういう列車が走り続けるのはなかなかおもしろいですね。
8500系の引退が発表され、8537Fは2020年3月に全般検査を実施。これが最後と言われている。ついでに側面赤帯の8634Fは全般検査実施が2017年、次に廃車されるのではとも噂されている。
まだ新型車両が少なかった頃、轟音を響かせてやってくる8500系を喧しく思ったもの。最近は乗る頻度も減ってきて、いよいよ置き換えかと思うと急に寂しく思ったり。早めに撮影を済ませておきたいですね...
今回はこの辺で。