お召列車を牽引したEF58-61の話。
センター内にある御料車庫で静態保存されているEF58-61。現在車籍を有する唯一のEF58で、田端運転所所属の保留車となっている。
61号機はお召列車牽引専用機関車として、日立製作所が特別仕様で製造。他のEF58と違い、生まれた時から格別な存在の車両だ。
お召列車用の客車「一号編成」とペアを組み、計100回以上もお召列車を牽引したといわれている。一号編成の後継であるE655系が登場する2007年まで、国旗を掲げて先頭に立っていた。また、イベント列車や工臨等の牽引にも充てられていて、当時から人気が高い車両だった。
2008年に台枠に金属疲労による亀裂を作り、牽引運転ができなくなった。惜しまれつつ引退した61号機は、東京総合車両センターの御料車庫へ。最近では2010年と2018年に、東京総合車両センターのイベントで公開された。
今後、61号機はどうなるのだろう。いつまでも御料車庫に保管しておくのはあまりにもったいない。
博物館展示といってもどこも飽和状態。展示されるなら、他の展示車両と入れ替えることになる。入れ替えるといっても展示物はどれも鉄道遺産なわけで、それを解体して61号機を展示するというのは考えにくい。
SLのように復活させることは考えにくいだろうか。特にJR東日本にはムーミンことEF55を復活させた例がある。SLの場合、パーツを新造して復活!といったことがあるわけだから、台枠部分を新造して復活するというのもありかもしれない。だが61号機は車両そのものに価値があり、原形をとどめておくことに意味があるようにも思う。JR東日本が復活に乗り出していない(ように見える)ところを見るに、そうできない事情がありそうだ。
あ、時代は機関車全廃の方面に進んでいるということを忘れていた。一番の理由はこれですかね(笑)。
海外みたいに、車両保有と線路所有会社が別で、走らせるときだけ線路を借りるみたいな制度があったら...。予算的にも法的にも非現実的、だいいち、61号機を譲ってくれるわけないか(笑)。
今回はこの辺で。