名をトラバーサーというその装置は、車両を平行移動するためのもの装置で、日本語では遷車台と訳される。このトラバーサーは車両の工場などで見かけることができ、頻繁に稼働しているが、列車の車庫などには設置されない装置だ。反対に路面電車の車両基地では設置例が多い。1両単位で動く電車の車庫ならではの装備といえる。
構造や仕組みは転車台と少し似ている。レールが乗った主桁と操作室が一体となり、レールの上を移動して目的の場所まで動く。主桁上のレールと位置を合わせて線路が繋がったら車両が移動、車庫に入庫する仕組みだ。
車両の工場などでは、項目ごとに棟が分かれていることが多く、その際の移動に使われる。牽引機などでトラバーサーに押し込んで車両を乗せて、降ろす時は牽引機で引っ張る、という工程で行われることが多いが、都電の場合は自走が基本。自分で乗る→パンタグラフを降ろして移動→移動中に運転士は反対側の運転台に移動して折り返し準備→目的の線路に到着次第パンタグラフを挙げて出庫といった流れ。
もともと敷地の広さや形に制限がある車両基地で大活躍する装備だが、機動性に長けている路面電車にはかなり適した装置といえるだろう。
結構頻繁に稼働しているので、移動シーンを生で観るのも難しくない。トラバーサーがあるのも東京ではおそらくここだけ。興味深く観察させていただきました。
・おまけ
既出の画像だけど1枚。レンタルレイアウト西イケさんの路面電車線で見かけた、Nゲージ版トラバーサー。これ初めて見たときは非常に驚いた。高架線用レールをうまく使っていて大変良くできていると思う。Nゲージ版も眺めて見るとおもしろいですね。
今回はこの辺で。
最後までご覧いただきありがとうございます
クリックしていただけると励みになります
クリックしていただけると励みになります