特急日光・きぬがわで活躍する253系の普通車に乗ってきた。
2006年から始まった、JRと東武鉄道の直通運転。栗橋駅付近にある渡り線を利用することで両社間の線路を結び、新宿から東武日光、鬼怒川温泉へ直通するというもの。
JRは253系1000番台(開始当初は485系)、東武は100系スペーシアを使用し、日光・鬼怒川へ向かう列車を両社それぞれ1日1往復ずつ運転している。
253系1000番台は、成田エクスプレスの新車投入による置き換えで余剰となった編成を改造して誕生。車齢が若い後期の編成が選ばれ、6両2編成が改造された。2011年から運用に充てられている。
そして先日、そんな253系に乗る機会があったので、乗車してきました。
253系1000番台は、全車普通車で構成される。座席カラーは奇数号車はオレンジ、偶数号車はブルー。
鮮やかな座席カラーとNEXで採用されていたスモークガラスをやめたことで、明るく解放感のある空間になっている。
座席もNEX時代のものとは全く異なる。座席に座って驚いたのは、足元が大変広いということ。シートピッチはグリーン車並みの1100mmになっており、これは100系スペーシアに合わせたものらしく、485系時代からこの広さが楽しめたそう。JR特急の普通車というとシートピッチは1000mm未満が一般的。この広さは破格だ。
同じく直通運転を担う東武特急スペーシアは東武の看板特急。スペーシアの座席は幅、座席そのものともグリーン車に匹敵する快適さを誇る。1100mmのシートピッチが採用されるのは看板特急ならではと言える。
さて、シートピッチはスペーシアに揃えた253系だが、座席は普通車タイプ。重厚感はないものの、デザインがシンプルであるためとてもスッキリ。視覚的にも体感的にも広さや解放感を味わうことができ、快適さを感じられた。
不可もなく一般的な座り心地、座面裏装備も一般的で普通車として過不足がない。どこかN700系に似ているような...座席カラーのせいかな?
広いシートピッチによる快適さの代償、「テーブルが遠い」。それを補うべくひじ掛け部分に折り畳み式のテーブルが全席に備え付けられている。
このグリーン車あるあるが普通車で見られるというのが広さの証(笑)。
座面裏。テーブルとマガジンポケット、ドリンクホルダーと一般的な装備。
ブラインドは遮蔽性が低く凝ったデザインでもないもの。荷物掛け用のフックが用意されている。
NEX時代の、飛行機の座席上収納棚を模したものがなくなり、天井もすっきり。間接照明でとても明るく、古さを感じない車両に生まれ変わった。
以前より棚を減らしたようだけど、NEX時代の大型荷物の置き場は現役。観光特急としては必要な装備だろう。
なかなか快適な253系特急日光・きぬがわ。
各所への臨時列車での駆り出しや、日光・きぬがわ号の延長運転が行われることも多く、いろいろな線区に顔を出す車両となっている。
2編成しかいないせいか存在が目立たず、ファンも少なめな印象で、現行のJR東日本特急の中で唯一模型化もされていない253系1000番台。JRのポスターで模型が登場した(おそらく特注)ことがあったくらいで製品化の雰囲気すらない(笑)。個人的にはかっこよくて好みの車両だったし、乗ってみて好感度挙がった車両の1つでした。推していきたいです。
最後にそんな253系1000番台の残念ポイント。
シートピッチを無理やり1100mmにしたため、窓割が合わないこと。
日光寄り座席では戸袋が窓として当てられている残念な座席すらある。シートピッチより座席の豪華さでスペーシアに並べば良かったのに...。
今回はこの辺で。
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