車掌というのは列車最後尾に乗務する。かつての貨物列車には車掌車、またはそれに匹敵する貨車が連結されていた。
車掌車連結が終わったのは、ちょうど国鉄民営化の頃。貨物列車はワンマン運転されることになり、車掌車は役目が終えた。よって、国鉄時代に大量に生産された車掌車は余剰となった。
払い下げられた車掌車の新たな活用法に、倉庫や駅舎が挙げられる。ただし、倉庫は個人所有が多いため中を見られる機会がほぼない。劣化も激しかったりする。
一方駅舎は、今でも現役で使用されているケースが少なくない。地方ローカル線の駅では元貨車の駅舎が多く見られ、北海道の路線では特に多い印象だ。渡道した機会に、貨車の第二の人生を見学に行ってみた。
写真は日高本線の浜厚真駅。
窓が4つあることから、この駅舎は元は車掌車のヨ5000形だと思われる。
等間隔に並んだ窓が可愛らしい(笑)。デッキが出入口の役割を果たしている。
駅舎内。
この駅は貨車時代の雰囲気をかなり残したものとなっている。基本構造はそのままに、時刻表やベンチなどの駅設備が整っている。
駅としては必要充分、小さな駅に可愛らしい見た目がマッチしていて良い。必然的に防風・防寒の待合室として機能するため、転生先としてかなり適していると言えるだろう。
元貨車駅舎は車掌車に限らず、ワムから改造されたものも多い。貨車時代の名残があるものもあり、探してみるとその痕跡や車番が見つかる場合もある。駅から貨車の歴史までを追うことをできる、というのはなかなか楽しいのでオススメ。この駅では車両の歴史を辿るほど痕跡はなかったけど、貨車をじっくり観察できたのでヨシ(笑)。
たまには知らない駅で降りてみるのも悪くないなーと思えたけど、日高本線は列車が少なすぎた...。
今回はこの辺で。
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