都電の保存車というのはそこそこ多い。親しみやすさと1両単位で車両も小さく運びやすいことなどがおそらく理由だろう。
上野公園の不忍池の後ろ側にある位置に鎮座している都電7500形7506号車だ。
1962年登場の都電7500形電車。登場時は、もう少し丸みを帯びたフォルムで、黄土色に赤ラインというボディカラーで走り始めた。
1984-86年に、車体のみを"更新"。これは先代の都電7000形で取られた手法と同じだ。この更新でニューカラーである"クリーム色ボディに緑色ライン"となり、足回りはそのままに、ニューフェイスとして走り始めた。
7000形とともに都電荒川線で活躍を続けた7500形は、2011年にラストランを迎える。形式としては1962年から2011年の約49年、ボディだけでも30年近くの長きに渡る活躍だ。足回りで見れば国鉄485系よりも古い車両と言え、どれだけ長い年月活躍してきたかがわかる。
さて、そんな7500形のうち、展示されているのは6両目(編成と同義)に当たる7506号車だ。2008年にここへやってきた7506号車は、7500形の廃車第一号。もう10年以上ここで静態保存されている。
展示の方向幕は「池之端児童遊園」。荒川線の停留所にはない方向幕が差し込まれている。
この方向幕の理由は、この車両が置かれている場所が元々停留所だったから。かつて都電網が都内に張り巡らされていた時代、ここは都電3系統が交わる「池之端児童遊園」という停留所だったことから、里帰り的な意味合いが込められている。
7500形の登場は1962年、廃線はそれ以降だ。かつてここを走ったこともあっただろう。
柵の上から車内を観察してみる。
広告は撤去されているが、車内は当時の形態に近そうだ。運賃箱などはないけどマスコンなどは残っている。車内公開をしていないこともあり、劣化は少なく見える。
ひょっとしたら、引退して本当にそのまま持ってきただけなのかもしれない。足回りも取っ払った機器があるようには見えず、整備すればまた復活できそうな雰囲気を感じた。
保存状態は、屋根無しの雨ざらし。
外装の腐食や汚れが見受けられるが、10年以上前から置かれているにしては綺麗だ。ランドマーク的役割もあるため適度に手入れされているのかな、いやそうであって欲しい。
児童遊園という言葉が残っているのもらしくて良い。でも最近はそこで遊ぶ子供を見る機会が減ったなぁなんて。とはいえ都電→下町感・小さくてかわいらしい→公園のシンボルという発想(推測)は個人的に結構好きw。ジオラマとかに組み込みたい風景だなぁと笑。
都内近郊にある都電の保存車は、意外に数が多い笑。見つけた時にまた。
2022/9訪問
今回はこの辺で。
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