通勤時間帯に運転されるホームライナー。快速扱いのため停車駅が少なく、特急車両で運転されるためほぼ確実に着席できる。乗車券に300円程度のライナー券を買うことで乗車でき、大変お得で嬉しい列車である。
そんなホームライナーの元祖と言われるのが、「ホームライナー大宮」だ。特急の発着駅である上野から車庫がある大宮まで走る回送列車に、人を乗せようと考えたことから運転が始まる。始まったのは国鉄時代末期、1984年のことだった。
ホームライナー鴻巣・古河は、ホームライナー大宮を延長する形で運転が始まった列車だ。列車名の通り、高崎線は鴻巣駅、宇都宮線では古河駅まで延長運転された。
車両は185系を使用。急行能登の間合い運用として489系や485系が充当されることもあった。元祖ホームライナーの系譜を継ぐ、長い歴史とユニークさを持つ列車となっていた。
2014年春のダイヤ改正で、この2列車は廃止になる。常磐線で活躍した651系が高崎線特急に転身がきっかけか、ライナーは特急に格上げとなったのだ。
「ホームライナー鴻巣」は、「特急スワローあかぎ」に変わり、行き先は本庄や高崎など、ホームライナーからさらに延長された。「ホームライナー古河」は後継列車はなく消滅。元祖ライナーの歴史は、ここで終わることとなった。
先日の2023年ダイヤ改正では、スワローあかぎが廃止された。特急あかぎに名称が統合され、通勤ライナーではなくラッシュ時に走るただの特急列車になり、"特急運用の間合い"というライナーの面影はすっかりなくなってしまった。鴻巣・古河のライナー廃止はもう10年前、考えてみれば面影すらないのは仕方ないのかもしれない。
写真を見れば185系は踊り子色、これも最近のようで随分前のこと。また、停車中のホームは上野駅8番線。高いホームに特急車ってライナーでしか見られなかったシーンでした。10年って鉄道界では移り変わりが大きいなと改めて感じますね。
今回はこの辺で。
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