れいるのおと

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ロンドン地下鉄の第四軌条方式を見る

150年以上の長い歴史を持つロンドン地下鉄。世界で唯一見られる第四軌条方式の話。

 

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第四軌条方式とは、走行に必要な2本のレールの他に、列車の電源用に2本のレールを用いる方式だ。

集電で一般的なのは、架線とパンタグラフで行うもの。レールから集電する形態は多くない。3本目のレールを用いて集電する第三軌条方式は、日本の銀座線などでも見られるのだが、4本のレールを用いるのはほとんど採用例がないもの。現役なのはロンドン地下鉄だけになっている。

 

そんな第四軌条方式の地下鉄を見学に行ってみた。

 

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写真は、Hammersmith & City Line(ハマースミス&シティー線)。
1863年に開業した世界初の地下鉄を受け継ぐこの路線も、第四軌条方式を採用している。ロンドン地下鉄はこういった当時の形態を残す貴重な設備が多いのがおもしろい。

 


集電は台車横、走行用レールの外側にあるレールから行う。
これは日本でも見られる第三軌条方式、銀座線や丸の内線のそれと同じ。

そして、走行用レールの間にある4本目のレールに、得た電気を逃がしている。若干見えにくくて恐縮だが、床下にあるパットがレールと触れているのがわかる。銀座線など第三軌条方式では、電気を逃がすのは走行用レールで行われている。第四軌条では、レールをマイナス電位に設定し、電圧の調整を図っている。


給電用は+420V、走行レール間にあるのは-210V、ロンドン地下鉄はこの電圧差630Vを利用して走る。
ロンドンの地下鉄は、建設当時の技術的な影響により、路線のほとんどが地表から浅い区間を通っている。"漏電を少なくする"ことや、"対地電圧を下げられる"といった第四軌条方式のメリットが活きるので、合理的かもしれない。

 

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4本もレールがあるので、ポイントのあたりは配線が複雑でややこしく、通過の際には床下からバチバチ発光する。日本の鉄道に慣れてる目線で見れば、床下のスパークは驚きと新鮮なシーンとして映ったのでした笑。

 

 

ちなみに、他にも第四軌条の区間があるらしい。しかし、ロンドン地下鉄は配線や成り立ちがややこしく、乗り入れ、運用、車両区別などなどが複雑に絡み合って運用されている。第三軌条の車両と直通してたり、その時の電圧差や運用、車両の違いなど気になることがいろいろだが、聞きかじり程度の知識では概要は未だ掴めず。。。ま、奥が深い方が、調べ甲斐あっておもしろいということで。じっくり研究していく所存です(笑)。

 

今回はこの辺で。