れいるのおと

旅、鉄道、飛行機、ひとり言。あれこれかじって語りたいだけのブログ。

GRヤリス(MT)で行く 八幡平アスピーテラインの旅

トヨタのGRヤリス。岩手県秋田県に跨る八幡平アスピーテラインに行ってきた。

 

八幡平アスピーテラインは、秋田県岩手県を結ぶドライブウェイ。
奥羽山脈・八幡平を横切る約27kmのスカイラインだ。

豪雪地帯ゆえ、1年の半分が通行止めとなるアスピーテラインに、夏の終わりに訪れた。

 

今回の旅の相棒は、トヨタ GRヤリス(MT)。
車重1.1トン、1.6Lの直3ターボエンジンを持つハッチバックスポーツ。豊田会長の肝入りで作られたスポーツカーだ。
MT車を駆り出し、往復1300kmの旅に出かけた。

 

 

 

勝手の良さと運転の楽しさ

おもしろい車だ。
剛性感があって重心も高いのだけど、思いのままに動くし乗り心地も良い。
クラッチは割と浅めに接点があって繋ぎやすく、コクコクと決まるシフトフィールも好みだった。
徐々に加速して2速、3速に切り替える時、過給機のパヒュンという音も聞こえる。
MTのハッチバックスポーツカーは初めて乗ったのだが、使い勝手の良さと運転の楽しさが両立していてとても良い。人気の理由を感じられた。


細かいところを見ると、普通のヤリスと部品共用していることがわかった。
トヨタとしてもこういうクルマは久しぶりに売り出すのだから、コストを抑えたのかな。
マイナーチェンジ版ではより運転しやすいコクピットに仕様変更がされている。出来ればそちらを借りたかったのだが、当日は満車でで利用できなかったorz。

 

 

アスピーテライン

GR86を運転する友人と合流し、岩手県八幡平市からアスピーテラインに入る。

アスピーテラインは、箱根や伊豆スカイラインのような整備されて開けた感じの形態ではなく、もう少しナローで坂もキツく、舗装も粗かった。

シフト・アクセル・ハンドルを操り、えっちらおっちら山登り。
スマートに流す快適ドライブのGTというよりは、操る感じが楽しむドライブロードだ。

そして、GRヤリスの足は、凹凸を上手くいなして伝えてくれる。酔いも疲れもしない。
スコスコMT操作して右へ左へ揺られるだけ。運転の楽しさしか感じなかった。
初めて味わったハッチバックスポーツカーの世界。これはなかなか楽しいかもしれない。


登り初めて30分ほどで、山頂に到着した。

 

 

とんでもない深い山奥に来たような、そんな景色。
深い緑が果てしなく広がり、自分が走ってきた道すら追えない。そんな眺めだ。

ここは標高1600m。
夏真っ只中の8月にもかかわらず、涼しく心地よい風が吹き抜けている。空気も美味しい。なんと心地よく、なんと素晴らしいのか。
運転の楽しさと美しい景色はウワサ通り。
一度走ってみたかったこの道を、GRヤリスとGR86で走破できて光栄だった。


僕に言わせりゃもはや、こういう景色に出会うために生きてるようなもの。
新しい世界、新しい景色を求めて旅を続けたいね。

 

 

 

 

 

 

快速マリンライナー パノラマグリーン車に乗る

岡山〜香川 高松を結ぶ快速マリンライナー
2階建て車両とパノラマグリーン車の乗車記。

 

快速マリンライナーは、本州と四国を結ぶ快速列車だ。
5両または7両で運転され、うち1両は2階建ての車両が連結される。

2階建ての車両は、高松寄りの先頭車にある。
メタナイトのような顔つきが特徴の、JR四国の5000系だ。

 

客室は1階、2階、平屋の3タイプ。
1階のみ指定席、それ以外はグリーン車扱いで発売され、いずれも券売機などで切符を買わないと乗ることができない。
今回は運転席の背後にのみある平屋客室、パノラマシートに乗った。

 

 

♢車内データ(2024年現在)
座席:2+2配置
シートピッチ:1000mm
快適装備:リクライニング
テーブル:ひじ掛けに収納
コンセント:
車内販売:
その他:4席のみ設定、運転席後ろの座席は位置が高い

 

マリンライナーの平屋部分はここだけ。
このわずか4席だけがパノラマシートとして販売される。

 

座席について。

椅子は1階席、2階席と同じよう。
客室で料金が異なるマリンライナーだが、景観の良さで値段が変わるという考え方のようだ。
客室にデッキとを仕切る扉はないが、こじんまりとしていてプライベートある空間になっている。
リクライニング、座面裏テーブルなど、基本的な装備が備わる。なかでも座面スライドは今どき珍しいかもしれない。ゆったりした姿勢を取ることができた。

 

 

 

"パノラマ"と冠するだけあって、展望の良さはとてもいい。
側面だけでなく前面にも大きな窓ガラスがあるのが嬉しい。

今回座ったのは、運転席直後の1番席。
ここの座席は少し位置が高くなっており、運転台が景色の邪魔しない配慮がされている。こういう配慮はありがたいですね。

瀬戸大橋からの絶景と、瀬戸大橋内部を走り抜ける様子をかぶりつき。
存分に楽しむことができるのが、パノラマシートの最大の魅力だ。

岡山から高松まで、あっという間の55分。
お手軽に楽しめちゃう身近さも、個人的に推したいポイントです(笑)。

 


 



●料金について(2024/10/1現在)

マリンライナーの2階建て先頭車に乗ると、乗車券に加えて以下の料金が追加で必要だ。

 

・1F指定席は一律840円
・1F(平屋)展望グリーン席・2Fグリーン席は50kmまで1010円、100kmまで1260円

マリンライナーの全区間(岡山〜高松間)は71.8kmあるため、グリーン席利用なら+1260円となる。


マリンライナー料金は、2024/10/1に値上げされている。以前から利用する者にとっては高く感じると思う。
ただし、この値上げは全国的に行われたものだ。JR東日本の普通車グリーンも同じ値段、同じ値上げがされており、こればかりは物価高だから仕方ないのだろう。

 

 


最後に、コスパ的の面から評価して終わりたい。

総評として、展望グリーン席はとても良かった。
マリンライナーは、瀬戸大橋とそこからの景観が最大の魅力だ。
前と横の両方から景色を楽しめること、展望が見えるような配慮、プライベート感ある半個室空間、といったこれらの要素があって、関東の普通車グリーンと同じ値段。これはここでしか出来ない体験だし、とても乗り得に感じられた。

2階席は、1階席で見られる橋をくぐる車窓との違いを感じられなかったため、個人的には正直ビミョーだった。その点、展望グリーン席は、景色を楽しむ旅人として、また乗り鉄のオタクとしてとても楽しめたので、また乗りたいと思える座席だった。
本州四国連絡の時は、積極的に乗っていきたいですね。

 

 

 


 


・おまけ

 

ふと気になったのは座席区分について。
朝晩は通勤ライナーとしての需要が高いマリンライナー。2階とパノラマ(平屋)はグリーン車料金だけど、1階席は指定席料金になっている。つまり、グリーン料金より安く着席サービスが得られる快速列車、である。これは関東民からすると超乗り得車両に感じられる。JR東日本の2階建て車両は、全て"普通車グリーン車"でありグリーン料金がかかるからだ。

うーん。そもそも、普通車グリーンってなんだ笑?。指定席料金を基本にして、展望が良く人気ある2階はグリーン料金...でイイじゃないか。最初から普通車グリーンでデビューしたからか、違和感を感じなかった。マリンライナーを見て、割高感を意識し始めるという(笑)。

 

サービス面で比較すると、マリンライナーには車内販売がない。
また、着席数を優先したJR東日本グリーン車と比べて、マリンライナーは車椅子用座席がかなり広めに用意されている。車椅子対応トイレも備わっているなど、バリアフリーを意識した車内になっている。

 

マリンライナーE217系グリーン車の兄弟車。ルーツは関東にあるものの、そういったサービスや運用方針の違いも散見されました。

 

 

"世界一周航空券"を買ってみた

スターアライアンスの世界一周航空券を買ってみた。
旅程の立て方から買い方まで綴っていく。

 

世界一周航空券とは、文字通り世界一周する航路の航空券のこと。

ルールは、好きな便・経路で地球1周して、出発地点に戻ってきたら終わり。
料金は定額だが、移動する距離や座席クラスによって差額があるという至極シンプルな制度だ。


本記事では、

 

 

について触れていく。

 

 

1.どこで買うか


この航空券はかなり特殊なチケットだ。
簡単にネットでポチッと買えない。
方法は大きく分けて2つのみ。

A:旅行代理店を通す
B:航空会社の窓口に行く


調べたところ、どうやらBは少しハードルが高いようす。
専門スタッフによるサポートや保険などの付加価値を求めて、今回は旅行代理店を通すことにした。

 

 

2.どれを買うか

 

・3タイプの航空券

どのチケットを買うかと座席クラスを決める。

まずはチケットの種類から。世界一周航空券は、

 

A:スターアライアンス

B:ワンワールドエクスプローラ

C:グローバル・エクスプローラ

 

の3タイプある。

 


そして、アライアンスについて。
アライアンスとは、世界の航空会社各社が取っている航空連合のことだ。
いわば、チーム制を取っているようなもの。
これがあると、予約が簡単になったり、貯まるマイルに互換性があったりと利便性が高くなるのだ。

そして、世界一周航空券はスターアライアンスワンワールドの2つのアライアンスから、発売されている。

 

A、スターアライアンス
ANAシンガポール航空、ルフトハンザ航空、ユナイテッド航空、エアカナダなど28社など利用可能

B、ワンワールドエクスプローラ
JALエールフランス、ブリティッシュエアウェイズ、カンタス航空カタール航空などが利用可能

C、グローバル・エクスプローラ
ワンワールドに加えてジェットスター、ウエストジェットなどが利用できる
Bの派生形にあたり、Bよりもより広い範囲の国に旅することを可能にしている

 

料金体系は、移動する距離と座席クラスに比例して上がる点が共通している。

また、各アライアンスに加盟する航空会社なら選び放題、それで世界一周分だけ飛べること、3タイプに共通する。


細かなルールの違いや料金区分などは割愛するが、どれも自分の旅の目的に合わせてカスタマイズできる。
よって、どれを選ぶかは行きたい国や目的地から考えるのがベターだろう。マイルや就航する航空会社で選ぶのも大いにアリだ。

 

 

今回はAのスターアライアンスを選択。
スターアライアンスで世界一周することに決めた。

 

・座席クラス

続いて座席クラスを選ぶ。
スターアライアンスの座席ごとのお値段は以下の通り。

・エコノミー 約35万
ビジネスクラス 約70万
・ファーストクラス 約115万

この価格を基準に、距離が増えるごとに加算されていく。

 

ファーストクラスを選んだら、搭乗する全ての飛行機がファーストクラスになるということ。
しかも地球1周分。
それでこの価格、これは破格ではないだろうか。

 

 


せっかくなので今回は、ビジネスクラスをチョイス。
スターアライアンスで、ビジネスクラスに乗って世界一周をすることに決まった。

 

 

3.どうやって買うか

具体的な段階に入っていく。
購入過程を綴りたい。

 

まずは旅程立てだ。
行きたい国をピックアップして、ルートを考える。

地球の円周は、約24000マイル。
〜35000マイルまでの航空券を買うので、
後戻りや南北移動は控えて、1周分の経路を計画した。

スターアライアンスでは、日時と実際の便を使った仮の予定を組めるサイト「Book and Fly」を公開している。
想像を形にするのに大いに役立った。

 

 

そして、それを旅行会社の窓口に持ち込んだ。

周りたいルートから、それが最適なのか、直行便で行くのか経由便行くのかなどなど、希望の条件と空席状況を見ながら計画を形にしていく。これがなかなか上手く行かないのだが、そこがおもしろい。

「乗りたい便が次に空いてるのは5日後です」なんてケースも多かった。
訪れる順序を変えたり、経由する国を変えたり、その経由地で滞在することにしてみたり。あれこれ相談しながら旅を計画するのは楽しかった。

どうしても行きたい場所、譲れない条件だけ決めて、いくつか別案を持って相談するのがオススメだ。
向こうは旅行のプロ。思わぬ経路や行き先を提案されることもあり、期待が高まる。

 

同時に、保険の加入と現地ホテルの手配などもお願いできた。
代理店にお邪魔したのは3日間ほどだろうか。
スケールが大きい旅なのに、意外と短期間で話がまとまったことに、ちょっとした違和感と怖気づくような気持ち(笑)。

 

 


 

こうして8カ国を巡る30日間かけた日程が完成した。

 

2022/11/09
LH717 2022/11/09 東京(羽田)12:30―フランクフルト19:10 
2022/11/17
SN2905 ブリュッセル15:35―ウィーン17:15 
2022/11/20
OS121 ウィーン7:10―フランクフルト8:40 
LH630 フランクフルト13:30―ドバイ22:55 
2022/11/22
TK759 ドバイ10:10―イスタンブール14:00 
2022/11/24
TK1971 イスタンブール15:15―ロンドン(ヒースロー)16:15 
2022/12/05
AC855 ロンドン(ヒースロー)12:00―トロント(PEARSON)14:55 
2022/12/09
NH109 ニューヨーク(JFK)12:45―東京(羽田空港)17:00

※いずれもすべて現地時間
※日本ードイツはロシア上空通過ルート扱い。実際は太平洋・北極経由。

 

写真は実際に使った航空券。
これを空港で提示すると、航空券を発券してもらえるというシステム。
旅行中、常に携帯しており、荷物タグ控えシールなどもペタペタ貼られていった(笑)。

 

経路を見るとわかるが、必ずしも地球1周分繋がっている必要はない。
ドイツ〜ベルギー間は列車移動を希望、カナダトロント〜ニューヨーク(JFK)間は空席がなかったことから、別で手配して移動した。

また、移動できる距離(マイル)にゆとりがあったことから、
日本→ドイツ→トルコ→アラブ→イギリス
と、少し逆戻りの行程を組むこともできた。

移動マイルに余裕があれば、寄り道もできる。
そこそこ柔軟性がある切符なので、臨機応変に。
フットワークが軽ければ軽いほど、柔軟で楽しい旅程を組めてしまう。素晴らしいチケットだ。

 

ここまでの料金、航空券代に燃油サーチャージや空港使用料、発券手数料など含めた総額は92万円だった。

 


 

地球規模で旅をする。
こう考えて計画する機会は、なかなかない。かなり大変だけど、かなり楽しい時間だった。
例えるなら、いくつも注文住宅を建てるようなイメージだろうか(建てたことないけど)。
普通ならこだわりを詰め込んだ1軒建てるのが、それを同時10軒くらい作るのだ。しかも短期間に。
つまり、夢いっぱいのハードワークであった(笑)。

 

 

航空券が揃ったら、いよいよ旅の準備だ。

訪問国の入国規定を確認し、各種書類を揃えていく。
国際免許やコロナワクチン接種証明など集めて周った。

また、現地の通貨やクレジットカード、治安の良し悪しや水が飲めるかなどの情報も調べてまとめた。
地球の歩き方を何冊買ったことか(笑)。現地での旅程立て、生活習慣、暮らしぶりなど、整理しながらまとめ作業をしたのは、旅先でかなり役に立ったのでオススメだ。

 

 

ふと、ここまでやってみて振り返る。
自分で広げた風呂敷ながら、壮大過ぎて身が引き締まった。
なにせ、筆者にとっては初海外、初ひとり渡航。ドキドキとワクワクと疲労が交互に襲ってくるような感覚だ。
旅行中とは別のハイテンション、ある意味変なスイッチが入った中で、出発までの日々を過ごしたのでした。

 

 

 

さて、こんな感じで航空券の買い方と大まかな紹介は終わりたい。

世界一周を企む諸氏の参考になれば大いに幸いです。

 

 

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寝台特急サンライズ出雲・瀬戸 シングルデラックスに乗る

東京と出雲市・高松を結ぶ寝台特急サンライズ出雲・瀬戸
A寝台個室シングルデラックスに乗ってきた。

 

 

♢車内データ(2024年現在)
座席名:シングルデラックス
広さ:約2.5畳(4.6㎡)
高さ:約1.8m
ベッドサイズ:1960mm×850mm
コンセント:有(100V 1500W)
車内販売:無
洗面台:有(温水も利用可能)
コート掛け:有
アメニティ:有(下記参照)
シャワーカード:付属(専用シャワールームを使用)
アラーム付時計:有
喫煙:個室により可能

 

 

サンライズエクスプレスの最上位の客室「シングルデラックス(以下DX)」。
1編成に3室、連結時でも6室しかない客室は、どの個室よりも広く豪華。ゆえに人気高い客室だ。
入手の難易度が高く、即売状態も多いほど。まさにプレミアでプレミアムな客室であります。

 

室内は、1辺2mちょっとの正方形に近い形で約2.5畳。
サンライズExpで最も幅広のベッドに、椅子とテーブル、洗面台、ハンガーとコート掛け。
ベッド上には、枕と布団、そしてナイトウェアとスリッパ。列車で1泊過ごすのには充分な装備が整う。

 

こちらはオリジナルアメニティ。
これは、シングルDXの利用者にのみ、配られるもの。検札を受けた時に車掌さんから受け取ることができる。


中身は以下の通り。

・入浴用品(シャンプー、リンス、ボディソープ、石鹸、シャワーキャップ)
・歯ブラシセット
・髭剃り用品(T字シェーバー、シェービングフォーム)
洗顔フォーム
・化粧水
・整髪料
・櫛
・タオル
・綿棒
・ヘアバンド
・サニタリーバッグ
ティッシュ
・シューポリッシャー(靴磨きシート)
・シャワーカード

 

ビジネスホテル同様のアメニティが一式揃っている。手ぶらで利用しても困ることがないのがイイ。

また、アメニティにはシャワーカードが付属。シングルDX利用者限定の専用シャワールームで使用可能だ。
購入の争奪戦に臨むストレスがないのが嬉しいですね(笑)。
シャワールームにはドライヤー完備なので、着替えだけ持ってお気楽に。そして空いているのでお気軽に利用できる。

 

 

シングルDXには、禁煙車と喫煙車がある。
この喫煙車、新幹線の喫煙ルームが無くなった今では日本で最後の"タバコが吸える車両"だったりする。
灰皿はテーブルに備え付け。これと寝たばこNGの注意書きが喫煙車ならではの装備だろうか。

車内はタバコの残り香は少し感じるものの、困るものではなかった。非喫煙車の自分でも、特に気にすることなく一晩過ごせた。
ここしか空いてなかったから乗ることに決めたけど、今や最後の喫煙車に乗ったこと、そして切符に印字されるタバコマークなどが記念になるので、これはこれで(笑)。
タバコを吸わない自分でも過ごせるくらい脱臭されていたのが良かった。

 

 

 

 


 

シングルDXは、サンライズExp唯一のA寝台。
A寝台とは国鉄から続く座席区分で、昔の慣わしで言えば一等寝台車にあたる。
B寝台よりは上位クラスの贅沢な仕様、というのがA寝台だ。

ブルートレインなどの定期夜行列車では、A寝台・B寝台とも進化と変遷を辿ってきた。
2段、3段ベッドから個室化が進み、洗面台やトイレなどの設備も付けてと、より豪華に、快適にと変わっていった。

言わばそれらの歴史を辿って行きついた答えが、このシングルDXだ。
すべてA寝台個室のカシオペアの客室も、それに当たるだろうか。

定期夜行列車としてこの上ない機能性と、快適さ。
走るビジネスホテルとして、乗車旅を楽しむ個室として、オススメしたい。

 

 

 


 

 

 

ちなみに、、、

 

乗るなら上り列車がオススメ。なぜなら東京発より比較的取りやすいからだ。

経験的に、東京発は本当にプレミアチケットのように感じる。1ヶ月前の窓口10時打ちでも何度も弾かれた。
しかし、利用した高松発はネット購入でまさかの1発ゲット(笑)。噂通り、上り列車の方が難易度が低いようです。確実に乗るには上りを選ぶ方が賢いかも。

とは言ってもやはり東京発に乗りたい。
こっち方が夜景はキレイだし旅程も組みやすいし、夜の東京を発つという雰囲気にそそられる(笑)。

今回はこのプレミアチケットを入手するラッキーは得られなかったけども、
「旅の最後に楽しみを取っておく」
そんな気持ちで乗るのも良いものだなと感じたのでした。

 

 

 

 

 

 

 

ルフトハンザドイツ航空 A330-300 ビジネスクラスの搭乗記

ルフトハンザドイツ航空A330-300 ビジネスクラスに搭乗した。

 


・搭乗便:LH630便 フランクフルト(FRA)→ドバイ(DXB)
・機材Lufthansa(ルフトハンザドイツ航空) Airbus330-343(D-AIKG)


♢機内データ(2024年現在)
座席:2+2配置
フルフラット:〇
隣席との仕切り:×
荷物収納:◎
コンセント:〇(変換プラグ必要)
アメニティ:LOCCITANE、枕、毛布
機内エンターテイメント:〇(日本語対応)
CAさん、機内の言語:英語・ドイツ語
その他:ミネラルウォーター、エコバッグ、靴下

 

 

座席は個室タイプではなく、オットマン付きのフルフラット対応のもの。
これはすでに紹介済みのB747-8と同じ座席だ。よって、過去記事も参照されたい。

 

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ちなみにこれは、旧タイプの座席に当たる。
ルフトハンザでは現在、座席や機体塗装を新しいものに変更中だ。
搭乗した機材は新塗装だったのだが、内部は“新ビジネスクラス座席”に改められてはいなかった。
あ、一緒に更新してるわけではないのね。ちょっとガッカリ笑。

 

 

隣席との仕切りはないけど、リクライニング・フルフラット対応で快適な座席。
古さは感じるものの、十二分にくつろげるような工夫は盛りだくさんだ。
枕や毛布などの快適グッズは豊富で、大容量のラゲッジスペースで荷物入れに困らない。
こういった部分も、ルフトハンザ航空会社が高評価を得ている理由の1つなのだろう。

手厚いサービスと豪華で美味しい料理、充分な快適性のおかげで、体に負担がない空の旅を楽しむことができる。
移動に体力を使わなくて済むってとても贅沢だ。

 

 


 

 

 

以下、搭乗レビュー。

 

出発はドイツ フランクフルト国際空港から。
フランクフルト国際空港はとてつもなく広い。
ルフトハンザの自社ラウンジだけでもいくつもある。広い広い空港を彷徨って搭乗口へ。


乗客は、ドイツ語の方、中東系の方が半々と言ったところ。
小さなアジア人は肩身が狭い気持ちである。
いや、胸張って乗ってれば良いんだけど、どうしてもね笑。

 

フライトは約6時間。機内食は1回だ。
離陸後1時間ほどで、提供が始まった。

 

メニューは洋食のみ。
日本路線でもないから、和食には出会えない。
前菜と肉or魚、パンとデザート。フランス料理ベースの洋食が供された。

で、これがまた大変美味で(笑)。
ちゃんと温度があるし、味付けやバランスもちょうど良く、工夫と手間がかかけられていることがわかる。

ビジネスクラスでは食事に困ることがない。そしてどれも美味い。
食事の安心と休息を取れること、煩わしいことが省かれているのは、上位クラス席の最大のメリットといえよう。

 

そしてルフトハンザはドイツの航空会社、ここはぜひドイツビールを味わいたい。
ドイツビールは特徴的な味わいで美味しい。雑味が少なく素直に酔えるような感覚(個人的見解)があり、筆者は結構スキ(笑)。

気持ち良くなってすぐに熟睡。時差ボケを抑えるためにはこれが一番。。。

 

 

着陸が近づく。ドバイが見えてきた。

都市部の周りは真っ暗。
山などの面影もなく、暗闇の中に光る島が浮いているかのような光景。
見たことのない風景に違和感を感じた。

 

ドバイの周りは砂漠と海だ。
発展した孤島があると比喩しても、中らずと雖も遠からずだ。
こういった初めての光景を見て不思議に思うのも、旅の醍醐味。

 

 

この飛行機は、涼しく穏やかな気候のドイツから、ほぼ赤道付近に位置する中東ドバイへと向かう便。
気候がまるっきり違う体験ができるのも、長距離国際線ならではだ。

 

空港へ降り立つと、気候が異なることを一瞬で思い知らされる。
暑いけど、日本と違う乾いた暖かさだ。湿度高めな、まとわりつくような暑さではない。

コートを抱え、腕まくりしながらホテルへ向かったのでした笑。

 

 

 

ドイツ フランクフルトで飛行機撮影

ドイツのフランクフルト国際空港近くで飛行機撮影をしてきた話。

 

筆者は、飛行機を撮るのも好きだ。
海外を訪れるなら、ばっちり飛行機撮影ができる時間を設けてみたい。そんな想いを叶えてみた。

 

 

 

訪れたのは、ドイツ フランクフルト・アムマイン空港付近にある撮影地。
北風、東風の時に離陸が取れるスポットだ。

 

フランクフルト国際空港は、ドイツで最も大きい空港である。
ヨーロッパでもTOP5に入る忙しさで、250以上ある就航都市へ向けて、さまざまな会社・機材が発着する。

ゆえに、日本では見られない航空会社や、日本では珍しくなったジャンボジェットB747などがバンバン飛んでいく。抜群の立地にある撮影地で、1日中カメラを振り回してきた。

 

 

順光時間は午前~昼過ぎ。
上がり角度によって切り位置などは異なるけど、大型機は概ね側面から綺麗に捉えることができる。

滑走路をいっぱいに使って雄大に離陸していく大型機は、いつ見てもカッコイイ。A220などの小型機も、転がってくる機体や駐機している機材も、日本じゃ見かけない会社・カラーばかりで、撮っていて飽きが来ない。

最も見かけるのはやはりルフトハンザドイツ航空ハブ空港なだけあって、発着数が非常に多い。今や少なくなったB747A340といった4発機がバンバン飛んでいく。ファンにとってはたまらない環境であり、おそらく自分は終始ホクホク顔だっただろうと思う(笑)。

 

 


 

最後に、アクセスを紹介。

 

地図で見てもわかる通り、駅からのアクセスが良いのがポイント。
最寄りはDB(ドイツ国鉄)のZeppelinheim(ツェッペリンハイム)駅。フランクフルト中央駅から15分ほどで着く小さな駅だ。

改札も駅員も人気もない閑散駅。駅前は林で、クルマが無造作に止められていた。
林道をまっすぐ進み、高速道路(アウトバーン)を渡る。歩いて15分とかからない、近くて便利な撮影地だ。

 

 

撮影地には広めのデッキが整備されている。台やベンチなどもあって過ごしやすく、とても撮りやすい。
当日はカメラマンから家族連れまで賑わっていた。飛行機を眺めて楽しむ文化(?)は、どうやら海外でもしっかり存在するようだ。少しだけホッと安心しつつ、存分に撮影を楽しんだのでしたとさ笑。

 

 

 

 

JR四国8600系 しおかぜ・いしづちの普通車に乗る

JR四国の8600系、しおかぜ・いしづち号の普通車に乗車した。

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8600系は、しおかぜ・いしづち号で活躍する特急車両だ。
8000系に続く2代目車両として、2014年デビュー。気動車天国の四国における、数少ない"特急電車"である。

 

今回はこの8600系の普通車に乗車したレビューを綴りたい。

 

 

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♢車内データ(2024年現在)
座席:2+2配置
シートピッチ:980mm
快適装備:リクライニング、フットレスト
テーブル:座面裏、車いす席前後はひじ掛けに収納
コンセント:
車内販売:
その他:可動式枕

 

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明るくフレッシュな印象を受ける車内。
普通車の座席は、グリーンとイエローの2色ある。

座席は全席にコンセントを装備。
座面裏はテーブルとマガジンポケット、荷物用フック、ドリンクホルダー、フットレストが備わる。普通車としては申し分ない装備だ。

 

座った印象はとてもいい。ちょっと固めな座席が振動を程よく吸収し、疲れにくくしている印象を受けた。
背面はしっかりしていて、跳び箱の1段目をイメージする(笑)。まぁよくある硬さで、きちんと体を受け止めてくれるので不快感はない。
座面は沈み込むほどではない硬さで、これが疲れにくさに大きく貢献しているよう。
リクライニングは座面と連動、フットレストを用いて好みの体制が取れる。快適性が良く、可動式枕を採用しているのも便利だ。

 

 

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デザイン、座り心地ともに、JR東日本E657系E353系の普通車座席によく似ている。いや、共同開発なのか流用なのか...まぁ、そういったことが合ってもおかしくはないだろう。良いものは共有した方がイイしね(笑)。

E657系E353系らのと違いは、シートピッチとフットレストの有無だ。JR東日本車両は960mmであるのに対し、8600系は980mmでフットレストがある。
2cmだけ広い分、快適性は上と言えるかもしれない。フットレストがある分、広げたとも取れるけども...笑。

シートピッチにかかわらず、普通車の快適レベルを上げてきた、そんな座席に仕上がっている。
デザインと登場年数から推理するに、E353系の改良だろうか。色味で随分と印象が違うものですね。

 

 

 

——おまけ——

 

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利用するのならグリーン車が付いている車両の普通車がオススメだ。
8600系は、グリーン車と普通車が半々の半室グリーン構造を採用している。部屋がミニマムでプライベート感がより味わえて気分イイ(笑)。

 

四国は唸るディーゼルエンジンを感じられる車両ばかりだけど、軽快な乗り心地も悪くないなと再認識。予讃線を駆け抜ける乗車旅は心地よいものでした。



今回はこの辺で。

 

 

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【ひとり放浪記】アラブ ドバイを訪れた話

アラブ首長国連邦(UAE)🇦🇪の首都 ドバイの漫遊記。
世界一周ひとり旅で立ち寄った、ドバイ2泊3日の滞在記録。

 

国:アラブ首長国連邦🇦🇪
言語:アラビア語、英語
通貨:UAEディルハム(約40円/1ディルハム)
時差:-5時間(日本より5時間遅い)
訪問:2023年11月
気温:30℃/20℃
目的:ドバイに行ってみたかった。それだけ。

 

 

中東・ドバイの土地柄を探る

初めてのひとり旅。道中、アラブ首長国連邦の首都ドバイを訪れた。

感じたことをまずは箇条書きに綴ってみる。

 

・気候
まぁ暑い。北半球の国ではあるけど、ほぼ赤道直下にあるのだからコレは当然。
訪れた11月でも日中気温は35℃くらい。夜でも生暖かい風が吹いている。湿気は少なめで、じっとりした暑さではない。

 

 

・街の雰囲気
国にはその土地の風や香りがあったりする。しかしドバイでは、特有の香りというのは感じなかった。
カラっとしていて暖かいこと、太陽と砂漠の砂のおかげか、あらゆる景色が黄土色、オレンジ色がかった印象に映った。

街中はアラビア語と英語で表記される。コミュニケーションもあらかた英語で済ませられた。
ドバイは多人種国家で、互いを尊重し合う国。実に様々な人種、服装、ヘアスタイルの方がいる。現地の方と軽い会話、いわゆる"旅先の会話"の機会も多くあり、みな出自が違っておもしろい。そうしたコミュニケーションは、英語圏の明るくフランクな距離感と比べると、控えめな印象ではあった。

 

 

・物価
日本と同じくらい。空港近くのビジネスホテルを選んだが、ホテルが1泊1.5万だった。食事などもそこそこ。特に日本食は高価で、高層ビル内に店がある。

 

 

・水
旅行先の国で、僕がまず気にするポイントが水。
水道水は、海水を淡水にしたものが提供される。軟水に近く、問題なく飲めるけど、日本の水と味が違うし、たまに茶色っぽかったりする。飲料水はミネラルウォーターを買うのが良い。

 

 

・お金
UAEディルハムという独自通貨。日本で両替はできないので、現地空港で。
でも、現金はいろいろメンドクサイから、国際クレカ・デビットカードを持って行くのがオススメ。自販機などもクレカに対応している。

 

 

・治安
悪くなかった。しつこい客引きとか乞食には会わなかった。
ちょっと困った時には現地の人が助けてくれるし、警備もちゃんとしている。アラブは安全な国ランキング上位の常連なのだ。

ただし深夜は、寝そべったり宴会開かれていたりとと雰囲気が良いとは言えない。
現地の人は縦にも横にも大きい人がほとんど。身長170ちょっと、薄顔で非力なアジア人は肩身が狭い。

 

 

 

 

交通

続いては交通機関について。

初めて訪れる国で、僕が重要視することの1つ。観光の足だし、治安や文化もわかる糸口だと思う。

 

交通機関はNOLカード
読み方はたぶん“ノルカード”。これでバスにも地下鉄にも乗れる。発売場所は、チケット売り場。空港バス停付近には券売機がなかったので、地下鉄駅で買った。
どちらもダイヤがあるし、概ね定刻で走る。

 

・地下鉄
日本製の地下鉄自「ドバイメトロ」が主要な場所を結んでいる。
自動運転かつダイヤがあり、列車は概ね定刻でやってくる。

全列車に、"女性専用車"と"ゴールドクラス"(日本でいうグリーン車)があった。男性が乗ると罰金。また、飲食やガムも禁止で、破ったら罰金とキビシイ。
ちなみに、筆者はそうと知らずに女性専用車に誤乗。現地の方が親切に教えてくれたのでギリギリセーフ。怖ぇ...(笑)。
5両中、一般車両が3両しかないので、車内は激混み。海外の方は、特有の香水を付けるのが一般的。香り合戦のような状態に出くわすと、かなり戸惑う。

 

 

・バス
移動手段の1つとなるバス。概ね時間通りに運転されていた。路線によっては深夜帯でも運転されている。アラビア語表記だから、降車場に注意が必要だった。

 

 

・クルマ事情
行き交うクルマは、トヨタ車が多い。カムリやレクサス、SUVまで日本車が多くて驚いた。また意外にも、スーパーカーはほぼ見かけなかった。もっとラグジュアリーでおもしろい車が行き交ってると思ったけど、そんなことはなかった。

道路は幅広で車線が多く、交差点なども大きくゆったり広く取られている。日本なら東北のような道の広さと信号間隔。歩いて渡るのが大変だった。

交通量は多く、行き交うクルマはクラクション鳴らしまくっている。短気な人が多いのかと思うほど、かなり喧しい。ちょっと怖い(笑)。

 

 

 

・ドバイ空港について
入国審査が厳しいのが特徴。
入国ゲートには、カンドゥーラ(白装束)を着た男性陣が目を光らせていた。念入りな手荷物検査と、靴まで脱いでしっかり身体検査がされる。出国ゲートでも同様の検査がされた。
また、世界でトップ10の旅客数を捌く大空港だから、とても広い。時間にかなりゆとりを持たせて利用したのは正解だった。

 

 

 

ドバイはとても巨大な観光都市だ。
暖かい気候、大きくて豪華なビル群。
世界一高いビル"ブルジュハリファ"やフォトフレームなどの観光スポットがあり、ドバイモールには有名ブランドが数多く入居。高級ホテルや世界一の○○など、多額の資金でできた様々なモノ・コトを、お金をかけた分だけ体験できるリゾートだった。

街の人も本当に様々。多人種国家で互いを尊重する風土が心地よく、過干渉はしないけどフレンドリー。そんな距離感がちょうど良かった。

 

僕は初めて上陸する国では、気疲れすることが多い。その土地の人との距離感や立ち居振る舞いなど、「空気感」や「生活・過ごし方の"感じ"」を掴むのに時間がかかるからだ。でもここでは、あまり気疲れすることなく、肩の力を入れすぎることなく過ごせた。

街には湖を望むカフェやレストランが多くあり、暖かい風とゆったりした音楽が流れる。時間の流れを忘れさせてくれる、まさにオアシスな都市だった。リゾートでのんびりするにはとても良いだろう。

 

 

 

2泊3日の滞在で、ドバイ中心地をサクッと観光して終わった今回の訪問。
今回はひとり旅だから、「贅を尽くしたリゾートおくつろぎ旅」ではなく、「文化や風土、歴史を感じる旅」が今旅のテーマにしていた。

 

よって、そのテーマには正直全くそぐわなかった(笑)のだけど、「初めてひとり旅で中東に降り立った」という実績、そして中東の気候と雰囲気を感じられたので、今回はこれでヨシとしたい。

 

今度は砂漠の観光、思いっきり贅沢なドバイツアーなど、振り切った観光しに訪れたいな。

 

 

 

 

 

 

 

 

九州新幹線 800系つばめに乗ってきた

JR九州 九州新幹線で活躍する800系に乗ってきた。

 

♢車内データ(2024年現在)
座席:2+2配置
シートピッチ:1160mm
快適装備:リクライニング
テーブル:ひじ掛けに収納
コンセント:有(最前列・最後列の座席のみ)
車内販売:
その他:オシャレ、普通車のみグリーン車なし

 

九州産の木材を用いて作られた暖かみのあるインテリア。既存の車両らしからぬ、インテリア性や遊び心に全振りのデザインは、JR九州らしさの1つだ。
車内の座席は3色ある。写真は3、5号車の「赤錆色」。漆を使用して発光を抑える技術が使われているそう。工芸品などとのコラボが多く、見た目や価値観を広げてくれるのも、JR九州車両の特徴だ。

 

座席は木材にクッションを敷き詰めた形で、程よい弾力で座り心地は悪くない。

座面裏は板1枚で、見栄えとデザイン性は良い。テーブルやドリンクホルダーは、肘掛け収納のテーブルにまとめられている。新幹線は大きく揺れないし、九州管内でしか動かない車両だから、これくらい簡素でも良いのかな。

コンセントは車両の端にあるのみ。よって、最前列、最後列の座席に座る者だけが使うことができる。2005年デビューなだけあって、現代のの新幹線サービスレベルより劣ってしまうのは仕方ないだろう。

800系のベースは、東海道・山陽新幹線で活躍した700系。が、内装の面影はほぼなく、窓とエアコンダクトくらいで少し700系らしさが感じられる程度。九州初の新幹線車両として、かなり気合を入れて作られたことが伺える。

 

 

 

どうしてもビジネスライクなインテリアの印象だった新幹線。乗って楽しめる要素と九州の色をMIXした合わせ技は本当にお見事。現代でできる限り遊びと、そこに盛り込んだ地域の特色バランス、これが僕好みでとてもイイ。

 

もうここまで手の込んだ新幹線車両は出ないだろうな。九州を訪れたら積極的乗りたい車両の1つであります。

そして、普通の営業車なのに車歴20年越えの彼ら。ドクターイエローのような10日に1度ペースの車両と違い、毎日運用に就く形式で20年越えだから驚きだ。いつまで乗れるかわからない、そして「つばめ号」でゆっくり九州を感じる旅も楽しいぞ、という2つの理由で800系をオススメして、乗車記おわり。

 

 

 

 

 

 

 

ロンドン地下鉄の第四軌条方式を見る

150年以上の長い歴史を持つロンドン地下鉄。世界で唯一見られる第四軌条方式の話。

 

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第四軌条方式とは、走行に必要な2本のレールの他に、列車の電源用に2本のレールを用いる方式だ。

集電で一般的なのは、架線とパンタグラフで行うもの。レールから集電する形態は多くない。3本目のレールを用いて集電する第三軌条方式は、日本の銀座線などでも見られるのだが、4本のレールを用いるのはほとんど採用例がないもの。現役なのはロンドン地下鉄だけになっている。

 

そんな第四軌条方式の地下鉄を見学に行ってみた。

 

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写真は、Hammersmith & City Line(ハマースミス&シティー線)。
1863年に開業した世界初の地下鉄を受け継ぐこの路線も、第四軌条方式を採用している。ロンドン地下鉄はこういった当時の形態を残す貴重な設備が多いのがおもしろい。

 


集電は台車横、走行用レールの外側にあるレールから行う。
これは日本でも見られる第三軌条方式、銀座線や丸の内線のそれと同じ。

そして、走行用レールの間にある4本目のレールに、得た電気を逃がしている。若干見えにくくて恐縮だが、床下にあるパットがレールと触れているのがわかる。銀座線など第三軌条方式では、電気を逃がすのは走行用レールで行われている。第四軌条では、レールをマイナス電位に設定し、電圧の調整を図っている。


給電用は+420V、走行レール間にあるのは-210V、ロンドン地下鉄はこの電圧差630Vを利用して走る。
ロンドンの地下鉄は、建設当時の技術的な影響により、路線のほとんどが地表から浅い区間を通っている。"漏電を少なくする"ことや、"対地電圧を下げられる"といった第四軌条方式のメリットが活きるので、合理的かもしれない。

 

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4本もレールがあるので、ポイントのあたりは配線が複雑でややこしく、通過の際には床下からバチバチ発光する。日本の鉄道に慣れてる目線で見れば、床下のスパークは驚きと新鮮なシーンとして映ったのでした笑。

 

 

ちなみに、他にも第四軌条の区間があるらしい。しかし、ロンドン地下鉄は配線や成り立ちがややこしく、乗り入れ、運用、車両区別などなどが複雑に絡み合って運用されている。第三軌条の車両と直通してたり、その時の電圧差や運用、車両の違いなど気になることがいろいろだが、聞きかじり程度の知識では概要は未だ掴めず。。。ま、奥が深い方が、調べ甲斐あっておもしろいということで。じっくり研究していく所存です(笑)。

 

今回はこの辺で。