れいるのおと

旅、鉄道、飛行機、ひとり言。あれこれかじって語りたいだけのブログ。

九州新幹線 800系つばめに乗ってきた

JR九州 九州新幹線で活躍する800系に乗ってきた。

 

♢車内データ(2024年現在)
座席:2+2配置
シートピッチ:1160mm
快適装備:リクライニング
テーブル:ひじ掛けに収納
コンセント:有(最前列・最後列の座席のみ)
車内販売:
その他:オシャレ、普通車のみグリーン車なし

 

九州産の木材を用いて作られた暖かみのあるインテリア。既存の車両らしからぬ、インテリア性や遊び心に全振りのデザインは、JR九州らしさの1つだ。
車内の座席は3色ある。写真は3、5号車の「赤錆色」。漆を使用して発光を抑える技術が使われているそう。工芸品などとのコラボが多く、見た目や価値観を広げてくれるのも、JR九州車両の特徴だ。

 

座席は木材にクッションを敷き詰めた形で、程よい弾力で座り心地は悪くない。

座面裏は板1枚で、見栄えとデザイン性は良い。テーブルやドリンクホルダーは、肘掛け収納のテーブルにまとめられている。新幹線は大きく揺れないし、九州管内でしか動かない車両だから、これくらい簡素でも良いのかな。

コンセントは車両の端にあるのみ。よって、最前列、最後列の座席に座る者だけが使うことができる。2005年デビューなだけあって、現代のの新幹線サービスレベルより劣ってしまうのは仕方ないだろう。

800系のベースは、東海道・山陽新幹線で活躍した700系。が、内装の面影はほぼなく、窓とエアコンダクトくらいで少し700系らしさが感じられる程度。九州初の新幹線車両として、かなり気合を入れて作られたことが伺える。

 

 

 

どうしてもビジネスライクなインテリアの印象だった新幹線。乗って楽しめる要素と九州の色をMIXした合わせ技は本当にお見事。現代でできる限り遊びと、そこに盛り込んだ地域の特色バランス、これが僕好みでとてもイイ。

 

もうここまで手の込んだ新幹線車両は出ないだろうな。九州を訪れたら積極的乗りたい車両の1つであります。

そして、普通の営業車なのに車歴20年越えの彼ら。ドクターイエローのような10日に1度ペースの車両と違い、毎日運用に就く形式で20年越えだから驚きだ。いつまで乗れるかわからない、そして「つばめ号」でゆっくり九州を感じる旅も楽しいぞ、という2つの理由で800系をオススメして、乗車記おわり。

 

 

 

 

 

 

 

ロンドン地下鉄の第四軌条方式を見る

150年以上の長い歴史を持つロンドン地下鉄。世界で唯一見られる第四軌条方式の話。

 

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第四軌条方式とは、走行に必要な2本のレールの他に、列車の電源用に2本のレールを用いる方式だ。

集電で一般的なのは、架線とパンタグラフで行うもの。レールから集電する形態は多くない。3本目のレールを用いて集電する第三軌条方式は、日本の銀座線などでも見られるのだが、4本のレールを用いるのはほとんど採用例がないもの。現役なのはロンドン地下鉄だけになっている。

 

そんな第四軌条方式の地下鉄を見学に行ってみた。

 

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写真は、Hammersmith & City Line(ハマースミス&シティー線)。
1863年に開業した世界初の地下鉄を受け継ぐこの路線も、第四軌条方式を採用している。ロンドン地下鉄はこういった当時の形態を残す貴重な設備が多いのがおもしろい。

 


集電は台車横、走行用レールの外側にあるレールから行う。
これは日本でも見られる第三軌条方式、銀座線や丸の内線のそれと同じ。

そして、走行用レールの間にある4本目のレールに、得た電気を逃がしている。若干見えにくくて恐縮だが、床下にあるパットがレールと触れているのがわかる。銀座線など第三軌条方式では、電気を逃がすのは走行用レールで行われている。第四軌条では、レールをマイナス電位に設定し、電圧の調整を図っている。


給電用は+420V、走行レール間にあるのは-210V、ロンドン地下鉄はこの電圧差630Vを利用して走る。
ロンドンの地下鉄は、建設当時の技術的な影響により、路線のほとんどが地表から浅い区間を通っている。"漏電を少なくする"ことや、"対地電圧を下げられる"といった第四軌条方式のメリットが活きるので、合理的かもしれない。

 

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4本もレールがあるので、ポイントのあたりは配線が複雑でややこしく、通過の際には床下からバチバチ発光する。日本の鉄道に慣れてる目線で見れば、床下のスパークは驚きと新鮮なシーンとして映ったのでした笑。

 

 

ちなみに、他にも第四軌条の区間があるらしい。しかし、ロンドン地下鉄は配線や成り立ちがややこしく、乗り入れ、運用、車両区別などなどが複雑に絡み合って運用されている。第三軌条の車両と直通してたり、その時の電圧差や運用、車両の違いなど気になることがいろいろだが、聞きかじり程度の知識では概要は未だ掴めず。。。ま、奥が深い方が、調べ甲斐あっておもしろいということで。じっくり研究していく所存です(笑)。

 

今回はこの辺で。

 

 

 

ベルギー ブリュッセル空港のラウンジ「The LOFT」訪問記

ベルギー ブリュッセル空港のラウンジ「The LOFT」の訪問記。感動したスーパーラウンジの話。

 

ベルギー王国のブリュッセル空港。
ベルギー国内で最大の、巨大な空港ターミナルだ。
空港内にはいくつもラウンジがあるが、とりわけ有名なラウンジ"THE LOFT"を訪れた。

 

 

 

ショコラティエ 常駐のスーパーラウンジ

カウンターテーブルを正面に、高級感溢れるインテリアで仕立てられたラウンジ。
いろいろなタイプの座席が並び、ゆったりとくつろげる空間が用意されている。出発まで思い思いの時間を過ごせる。
まぁこれらはどのラウンジにも共通すること、と言えばそう。インテリアと自分が落ち着ける雰囲気・空気感は個人の好みによるだろう。

 

 

こちらはレクサス監修のゾーン。

海外用ブランドとしてスタートし、日本には逆輸入として入ってきたレクサス。単なるラグジュアリーなクルマメーカーではなく、クルマを中心としたライフスタイルブランドを目指すレクサスは、こうしたラウンジで顧客と接点を作っているようだ。

空間を贅沢に使ったインテリア、装飾品にはエンジン関連のパーツやスーパーカーLFAのモデルカーなどが置かれ、CMなども放映されている。筆者のようなクソガキには、レクサスブランドらしさが掴めなかったけど、落ち着きと高級感があり、くつろげる空間であることは間違いなかった。

 

 

国際線ラウンジなので、食事はバイキング式。アルコールも飲み放題。

中でもこのラウンジの特徴は、ショコラティエが常駐していることだ。ベルギー王室御用達のチョコレートメーカー「ノイハウス」が作る出来立てチョコを、満足いくまで食べられるのだ。

これは普通に生きててもなかなか出来ない体験だ。チョコレート大好物な方ならまだしも、そうではない筆者にとって、とびきり嬉しく感動できたサービスだった。

 

あと、ベルギー名物で定番なのが、ビールとワッフル。こちらももちろんメニューにあった。
どれも大変美味。飽きるまで楽しめる贅沢を噛みしめて過ごさせてもらった。

 

 

 

ビジネスクラスを使うと、どこに行ってもくつろげる空間と、自分の時間を過ごせる環境がある。そして、本当に食事に困らない。なんとも贅沢だ。

特に食事においては、各国の美味しいものをたらふく、それもハイクオリティのものが食べられる。お腹を満たし、お酒で気持ちをほぐし、ゆったりした時間を過ごしてフライトに向かったのでした。

 

今回はこの辺で。

 

 

 

 

TNカプラーの再販 SL銀河グレードアップ改造

TOMIXから再販されたTNカプラー。
先日入線させたSL銀河に取り付けた、という少しマニアックな話。

 

TOMIXからSL銀河のNゲージが発売されたのは、2023年12月。内外装とも細部にわたって実車を再現した客車と、新規金型で製作されたSLをセットにした素晴らしい製品だった。

 

そんなSL銀河にどうしても見逃せない欠点が1つだけ。それは、中間連結器がアーノルドカプラーだったことだ。

 

これはフックで簡単に連結できる反面、見栄えが劣り連結間隔にリアリティがなくなってしまう。交換用に指定されたTNカプラーはあるものの、希少な商品ゆえにSL銀河の発売直後に完売。

それを見てかTOMIXはすぐに再販を発表。24年6月に発売されたものを入手した。

 

 

・密自連TNカプラー(SP・グレー)|製品情報|製品検索|鉄道模型 トミックス 公式サイト|株式会社トミーテック

 

 


このTNカプラー、名鉄キハ8200系の製品化に合わせて作られたもの。初回発売が22年7月と新しく、公式に取り付け対応している車両が現状ほぼないという代物らしい。
1つ400円と少し値が張るけど、こればかりはまぁ仕方がない。連結面3つ×2の6つ入手し、サクッと交換。

 

 

交換前(左)と交換後(右)

明らかに連結間隔が短くなり、リアルな距離感になった。
カプラーにはジャンパ線が付いているけど、そちらは連結させたら目立たなくなる。他のTNカプラーでも良いんじゃないの...と思うんだけど、取り付け部分の形状などから互換性あるものはないようで...。設計上、どうしようもなかったのかな。

 

 

 

 

アーノルドカプラーの広い連結間隔で良いと思える愛好家は多くないだろう。これを同時に発売しておいて欲しかった。

模型店によると、SL銀河発売後は購入が殺到して即売状態だったそう。というか、最初から取り付けて売ってくれ。

 

 

ちょっとクレームを書いてしまった。ともかく、SL銀河の編成美を整えられたので、当区での入線整備は完了となったのでしたさ。

 


今回はこの辺で。

 

 

 

エアカナダ B787-9 シグネチャークラス搭乗記

エアカナダ B787-9のビジネスクラスシグネチャークラス」に乗ってきた。搭乗レビュー。

 

・搭乗便:AC855便 ロンドン(LHR)12:00→トロント(YYZ)14:45
・機材AIR CANADA Boing787-9 Dreamliner(C-FRSA)

 

♢機内データ(2024年現在)
座席:1-2-1配置
フルフラット:有
隣席との仕切り:有
荷物収納:有
コンセント:有(変換プラグ必須)
アメニティ:ハンドクリーム、歯ブラシ、リップバーム、耳栓等。枕、毛布、水
機内エンターテイメント:◎(日本語対応)
機内の言語:英語

 

2018年に始まった、エアカナダの「シグネチャークラス」。位置付けはビジネスクラスだが、エアカナダ機にはファーストクラスがない。つまり、事実上の最上位クラスとなっている。


座席は半個室タイプ、モニターや機窓に体が向くよう取られている。
椅子は、オットマンと合わせてとフルフラットにできる。少し幅狭に見えるが、休息を取るには充分。寝返りを打つには少し手狭と感じるくらい。
1席につき窓2枚が当てられ、椅子以外の部分はテーブルとして利用可能。機能性と快適性を重視してコンパクトにまとめた座席になっている。

 

モニターは18インチ。海外線ながら日本語対応で、エアカナダのロゴ入りヘッドフォンで楽しめる。また、ボーイング787の特徴でもある電子シェードを見ることができた。リモコン操作で調節でき、光の透過率を変えることで遮光している。
座席リクライニングなども含めて、すべて手元のリモコンで操作ができる。シンプルでわかりやすく、機能的な操作系が嬉しい。

 

 

コンパクトなスペースながら、小物を置く場所が随所にあって使いやすい。コンセントで充電中のものも安定して置いておくことができた。
また、アメニティはカナダのブランド「WANT Les Essentiels」とコラボしたポーチに、リップバームやハンドクリーム、歯ブラシ、耳栓、靴下などが納められている。


自分のものを周りに並べて、ちょっとした自分テリトリーを作れる感じ。サービスや便利な装備を持て余すことがない、手の届くサイズ感。シンプルなインテリアと機能的なレイアウト、の小さな個室は、大変落ち着く空間に仕上がっていた。

 

 


 

搭乗すると、まずはおつまみとウェルカムドリンクをいただける。CAさんによるご挨拶はないけど、常に何名かのスタッフが通路を行き来し、声掛けや気配りなどしてくださった。機内というよりは高級ホテルのレストランのような、そんな印象を受ける。


利用したロンドン〜トロント便では、機内食は2回。
離陸後すぐの1回目、5時間ほど経って2回目。時差を考慮した提供タイミングで、7時間のフライトには充分だった。

 

機内食(1回目)
機内食(2回目)

機内食のお味はどれも美味。骨付き肉の提供はまぁ驚きました笑。温かく柔らかく美味しい。喜んで躊躇なくかぶりつかせてもらった。

機内食についての悪い評判も聞いていたけど、海外のソレらしさ(パンが粗めとか味が薄いとか)多少あるくらいで、そこは国柄と好みの問題かなと。どれも丁寧でクオリティが高く、美味しくいただけました。

 

 


 


どのビジネスクラスにも共通することは、とにかく快適性が高いこと。飛行機における疲れ、手間を客が負わないようになっている。食と睡眠にこだわり、出発や到着時には時間や手間を煩うことないように工夫されている。
これらの煩わしさ、時間を省けるメリットは非常に大きい。これを求めて上位クラスを好む客がいる理由がわかる。

その上で、上位グレード座席に求めるものは、徹底したラグジュアリーか、不便を排除した究極の機能性か。後者を求める人には、シグネチャークラスはその理想形...そんなフライトに感じられた。

 

 

各所にあしらわれたメープルリーフのデザインと、シンプルかつ機能性を追求したシグネチャークラス、CAさんのサービスや人柄、料理のメニューや味などから、カナダらしさをあれこれ妄想しつつ、トロントへと向かったのでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

N700S グリーン車に乗ってきた

東海道・山陽新幹線 N700Sのグリーン車に乗ってきた。

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2020年にデビューしたN700S。新幹線N700系シリーズの進化版で、Spereme(最高の)のSが付された新形式だ。
外観も内装もオリジナルと似ているが、細かな改良を重ねて大幅にアップデートされている。

そんなN700Sのグリーン車に乗車したので、レビューを綴りたい。

 


 

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♢車内データ(2024年現在)
座席:2+2配置
シートピッチ:1160mm
快適装備:リクライニング・フットレスト
テーブル:座面裏、ひじ掛けに収納
コンセント:
車内販売:
その他:読書灯、シートヒーター

 

 

絨毯敷きの客室に、ブラウンモケットの座席が並ぶ車内。この色味は従来のN700系とテイストは同じ。
壁や天井は白く、間接照明で部屋が全体的に明るい。時間がゆっくり流れているかのような、静かで落ち着いた空間に仕立てられている。

 

背面が立体的で肉厚な座席。4列配置で幅はゆったり取られており、肘掛けも広めで嬉しい。リクライニングは椅子全体が沈み込んで傾く構造になっていた。

意外にも座り心地は硬めで、背面はテニスボール、背中の両サイドは木枠に布を張ったのかと比喩できるほどの硬さ。座面は硬めというより、粘度が高く密度濃い感じと言った方が正しいかな。高級車のそれと似ていて、ちゃんと椅子に座ってる感じがある。

座面が沿っていること、椅子全体が沈むリクライニングなどの機構もあって、程よい休息を取ることができる。総じて、座っていて全く苦痛には感じられなかった。

 

 

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快適装備は充実している。
テーブルは肘掛けにも内蔵されていて、座面裏のものと併用できる。座面裏テーブルはノートパソコンが載るサイズ、肘掛け収納テーブルは、参考までに配れたおしぼりを載せてみた。軽食を取るならこのテーブルだけで充分なサイズだ。

コンセント、読書灯に加えて、シートヒーターも装備していて驚く。JR東日本の新幹線のグランクラスにはあったが、グリーン車に採用されたのは初めてではないだろうか。

 


 

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ここからは乗車録。

列車は静かで快適。加減速性能が上がってるはずなんだけど、キツいGも感じず滑らかな走行に感じられた。
駅間を走る間は減光、駅の停車・発車時は明るくなるという飛行機のような調光システムが加わっていた。

 

これはN700S普通車乗車記でも述べたことだけど、車内は立体的な張り出しが少ないことに気づく。エアコンの通風口は一見するとわからないし、車内の光源はわかるけどそれが直接は見えないように配置。機能的でシンプル、見た目に美しい。シンプルなデザインって簡単に見えて実は1番難しい、とは某建築家のセリフだけど、そうかもしれないね。


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乗車すると、まずグリーンアテンダントの方からおしぼりをいただける。その他サービスは無い。車内販売を待ってシンカンセンスゴイカタイアイスを購入した。
残念ながら車内販売は2023年10月に終了になり、終了後はこのグリーン車のみ、車内でコーヒーやアイス、軽食を提供する形になる。グリーン車サービスとしては寂しいけど、こればかりは仕方がない。





東海道新幹線といえば日本の大動脈とも言われる路線だ。ビジネスや観光だけでなく、訪日客の利用も多い。
N700Sグリーン車は、大げさに言えばそんな路線の最新車両の最上位客室にあたるわけで、「日本の列車とはなんたるか」が世界中から見られる空間であると思う。乗車が乗客の負担になってはいけないし、コストや運用しやすさなども考慮されているだろう。それの最新の解釈がこれだ。

決して豪華絢爛ではないが、乗車時間にちょっとした快適さをプラスし、上質感を感じさせながら寛げる空間としてのセッティング、そして自由席や指定席の喧騒からも逃れられるのもポイント。新幹線グリーン車の最適解を見たような、そんな乗車となりましたさ。



今回はこの辺で。

 

 

 

 

787系の超快適なグリーン個室に乗った話

JR九州 787系のグリーン個室に乗ってきた。

 

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全国には多くの列車が走っているが、中でも個室が付いている列車というのはとりわけ少ない。個室がある列車は、700系(レールスター車両)、E261系サフィール踊り子、東武スペーシア近鉄しまかぜくらい。つまり、数える程しかない。

JR九州787系もその1つ。乗車する機会を得たので、レビューをしていく。

 

 

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今回選んだのは「特急きらめき」。小倉から博多まで乗車する。
787系充当列車は時刻表等で確認できる。787系グリーン車がない編成もあるので、そこだけ注意して列車を選んだ。

グリーン車は1号車。デラックスグリーンという名前が付いている。
787系グリーン車は3タイプあり、座席タイプ、ちょっと豪華な座席のDXグリーン、そしてグリーン個室の3種類が、この1号車に詰め込まれている。

 

 

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入口・デッキからすでに洒落た車内。インテリアもさることながら、照明の使い方がなんとも素晴らしい。

グリーン個室は窓際に座席が1席、壁際に3人掛け用ソファ、テーブルもある。
壁面は漆塗りオレンジに似た明るい色。夜の乗車ということも相まってオシャレな雰囲気だ。


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壁にはちょっとしたアートも飾られていて、間接照明が優しく灯る。全体的に明るくはないが、逆に煌々と明るいのも困るのでこれで良い。バーにいるかのような雰囲気で、旅情としては充分だ。

 

ドア裏にはオーディオパネルっぽいものが備わっている。
照明のスイッチや明るさが調節できた。オーディオサービスはすでにサービス終了しているため使用できない。
パネルの下にはスーツケース収納スペース、奥にはコンセント。また、パネルに横にはコートなどを収納できる場所もあった。サービスが充実していて良い。

 

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テーブルは艶のある綺麗なもので、折り畳みを広げると2倍の大きさにすることができるもの。

1席だけあるこの座席は、普通のグリーン車と同じ座席だ。座席真上にライトがあり、スポットライトで照らされるような仕様になっていた。

 

 

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787系のグリーン座席は、フリーストップのリクライニングとひじ掛けの中にミニテーブルがある仕様。ヘッドは背もたれと一体ではなく、独自に動かすことができる。よって、いっぱいにリクライニングを倒しながら頭だけ起こす、みたいな姿勢を取ることが可能だ。

座面のクッションは柔らかめで良い。適度に沈み込んでくれるため快適さは充分で、いろいろな姿勢に対応してくれる点がとても良い。変わった座席ではあるが、グリーン座席として一定の水準は保たれているように感じられた。
ちなみに座面の柔らかさはソファの方が勝る。まぁ当たり前か(笑)。

 

大きめの窓で景観も良く、室内の照明を落とせば夜の車窓を眺めることができて楽しい。ブラインドもあるため、閉めて個室を思い切り楽しむもヨシ。これをひとり旅で味わう贅沢、たっぷり堪能して乗車を終えたのでした。




最後に料金のお話。
実はこの個室、料金が比較的リーズナブル。ひとり旅利用だったけどそこまで高額な料金ではないことをお知らせしたい。
この個室は部屋単位で販売されている。料金は2人分のグリーン料金に相当し、その額さえ支払えば1人でも利用できることになっている。

今回は小倉~博多間の乗車で乗車券+3000円ちょっとしかかかっていない。こんなにお得感高めなグリーン車は他にないだろう。


グリーン車と名乗っていながら、お値打ちと思える価格。しかも、個室ありの列車本数が多く、比較的乗りやすい。今回利用した小倉~博多間は値段も乗車時間もちょうど良く、個人的にはかなりオススメだ。改めて、九州の列車が好きになるような乗車だった。また乗りに行きます!

今回はこの辺で。

 

 

 

 

 

東横イン ドイツ フランクフルト中央駅前 宿泊記

初めて海外のホテルに泊まるならオススメ。ドイツの東横インに泊まった話。

 

東横イン フランクフルト中央駅前に宿泊した。

 

言語:ドイツ語/英語/日本語
食事:和洋食
風呂:ユニットバス式
トイレ:ウォシュレット付き
コンセント:SE/C (日本と異なる)
日本人スタッフ:有
予約:Booking.com

 


初めて海外ひとり旅をするにあたり、最初の宿泊先に選んだのは、東横イン
理由は簡単、海外ひとり旅の最初のお宿くらいは、安心して泊まりたいから。
海外の感じに慣れるまで心身とも疲れることが予想され、せめてホテルでは安心と寛ぎを得たいと考えたのだ。

やってきたのはフランクフルト中央駅。
駅前、歩いて1分の場所に、東横インはあった。

 


東横インは、同じ仕様・サービス形態と、それゆえのお手軽価格が魅力のビジネスホテル。外観も統一されていて、遠目から見ても一目でわかる建物をしている。
フランクフルトの街中に、お馴染みの建物がしれっと普通に立っている。「あ、ホントにドイツにあるんだ」という改めて実感させられた笑。

 


館内の感じも日本と変わらない。
スタッフは現地の方がほとんどで、言語はドイツ語または英語。日本人スタッフもいらっしゃるから、日本語でもOKだった。

館内表記もドイツ語・英語ながら、日本語表記オンリーのものもちょいちょい。日本から持ち込んだものに見えた。
このホテルのターゲットは、やはりドイツに来る日本人のよう。とても過ごしやすい。

 

東横インスタイルは変わらず、「部屋のレイアウト・内装は同じ」「ベッドとユニットバス付き」「無料朝食バイキング」の基本セット。
トイレにウォシュレットが完備されているのには驚いた。さすが東横インさん。
また、朝食にはご飯と味噌汁の用意があった。ありがたかったが、残念ながら日本のそれほど美味ではなかった。ま、贅沢を言ったらいけませんね。

 

 


ドイツ滞在中、2泊×2回、こちらで過ごさせてもらった。ドイツの真ん中に位置し、国際空港もあるので、良い拠点になる。

安心して泊まれることのメリットは非常に大きい。
もちろん、海外ホテルが安心できないわけではない。だが、いきなり海外ホテルに泊まるハードルを少し下げてくれる、そんな日系ホテルがありがたく感じられたのでした。

 

 

 

KATO 283系 オーシャンアロー入線!

KATOから発売された283系 オーシャンアローが入線。

 

空と海が大好きな車両のキャッチコピーで、1997年にデビューした283系
模型界の283系は、長らくマイクロエースの独壇場だったところにKATOが殴り込み。2023年冬の製品化は「なぜ今?」と尋ねたくなる不思議なタイミングだが、広告や製品仕様等から力の籠りようが感じられ、塗装・造形とも大変美しい製品がリリースされたのでした。


3編成、たった18両しかいない283系の全車両を模型化。好みの編成を楽しめる仕様だ。
当区では6両基本と3両増結が入線。連結されると、両端がイルカヘッド、1編成にグリーン車2両を持つ、繁忙期限定の豪華編成を再現できる。

 

 

複雑な形状を美しく再現した先頭車。心配していた車両の色味もとてもよく、実車イメージそのまんま。さすが、印象を落とし込むのがほんとうに上手い。

車両は、振り子機能が装備されている。これはKATO独自の技術で、この機構をしっかり盛り込んでリリースされたのが良かった。カーブ走行では抜群のカッコ良さを発揮する。
実車ではすでに振り子停止済み。それにより仕様が若干変化しているのだが、今製品はその前、振り子活用していた時代の姿となっている。

パーツ取付はなく、付属品はパンフレットのみ。最近のKATO製品はユーザー取付が少ない傾向にあるようです。
屋根周りの造形、ロゴマークなどの印刷もくっきりはっきりと再現。これ模型とは関係ないけど、オーシャンアローのロゴはもうちょっと遊び心が欲しいな...笑。

 

車内の座席は2色のパーツで表現。実車でも水色、パープルの座席が1両ごとに交互に並んでいるので、これは正しい。先頭グリーン車の座席はオレンジ。特徴的な互い違いの座席配置やラウンジ部分など、細かく丁寧に再現されている。

当区ではグリーン車には暖色、普通車には白色LEDを搭載。室内灯を入れるとやはり見栄えがしてイイ。
全体的な印象は、とにかくかっこいい笑。流線型の顔つきと爽やかな色味、醸し出される軽快感が実車さながら。リゾート特急の要素が見事に模型化されていると感じる。はぁかっこいい。製品化してくれたことに感謝感謝であります。

 

 

発売から半年経って入線したのは、ずっと迷っていたから笑。
9両 定価4.5万円の価格はなかなか思い切れずにいたのだが、3万円を切ったセール品を見つけたため、めでたく入線となりました。

一般に、単独形式は製品化ハードルが高めという(部品共通化とか金型流用できないとか)。おそらくそれもあっての価格設定だろう。
強気な価格に加え、そこそこ気合入った宣伝だったけど、それにガッカリさせられない出来栄え。満足度が高く、手持ち車両に彩が増えたことが嬉しい。レイアウトデビューが非常に楽しみです(笑)。

 

 

 

ロンドン地下で眠る"郵便専用鉄道"に乗ってきた

イギリス ロンドンでかつて使われていた郵便専用鉄道「Mail Rail」を見学してきた。

 

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♢訪問データ
訪問場所:Mail Museum
アクセス:ピカデリー線(Piccadilly Line)ラッセルスクエア駅(Russell Square)より徒歩10分
乗車料金:16£
予約方法:公式HP(https://www.postalmuseum.org/)より。

 

世界初の地下鉄が1863年に開業し、最も地下鉄が発達していると言われるイギリス ロンドン。Mail Rail(メールレール)は、混雑するロンドンの地上を避けるべく地下に建設された、郵便用の地下鉄だ。

メールレールは2003年に役目を終えている。長らく放置されていたものを2017年の郵便博物館(Mail Museum)の設立により一般公開がスタート。ぜひ一度この目で見てみたく、ロンドン郊外にある博物館に向かった。

 


 
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メールレールの開業は1927年。日本最初の地下鉄、銀座線と同じ年に開業という長い歴史を持つ。
ロンドン地下に張り巡らされたメールレール、総距離は10kmにも及ぶ。体験乗車できるのは1kmほどだ。

地下鉄はナローゲージで敷設されており、レール幅は610mmしかない。日本では立山ロッコなどが採用する軌間だ。一般旅客が乗ることを全く想定されていないことがわかる。


郵便博物館の別館地下にある乗り場から、乗車体験は始まる。
ここ、元は郵便仕分けの作業場だった場所。石や砂の匂い、肌寒さといった地下独特の空気感が漂う。こういう雑多で作業場らしい雰囲気が、トロッコ列車のそそられるポイント(笑)。

 

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予約した切符を見せて、列車に乗り込む。自由席でほぼ先着順に座ることができた。
小さな車両に身を押し込む。小さい上に屋根があるため、より窮屈に感じられたが、まぁこればかりは仕方ない。

車両は一般公開開始に合わせて作成されたもので、機関車+客車の方式。
路線には信号や電動ポイントが備わり、運転席にはiPadや電子機器が並ぶ。それなりにしっかりした鉄道として開業したようだ。


先頭に運転士が着席。いよいよ体験乗車がスタート。

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天井がスケルトンな列車でトンネルを進むのは初体験(笑)。普通の地下鉄に乗る感覚とは全く異なっている。細長い管を進んでる感覚で、地下鉄をTubeと言い表した英国人に納得(笑)。スピードは20~30km/hほどだ。

途中、いくつか分岐路がある。
その先は真っ暗だったり閉ざされていたりと様々。廃線跡が残っていると思われる。
ロンドンはこれ以外にも地下鉄廃線がちょこちょこあるらしいですね。ワクワクします(笑)。


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いくつか停車箇所があった。
積み下ろし場は駅プラットホームのようになっており、プロジェクションマッピングで当時の模様が描かれる演出がされていた。体験アトラクションとして仕掛けが楽しい。

 

20分ほどで乗車は終了し、元の駅へ帰還。ループ線なので、折り返すことなく帰還した。

感想は、まず良く遺ってたなと。そして、当時の発想と、それを実現する高い技術力を目の当たりにし、少し感動を覚えたのでした。

 

 
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つづく展示室、博物館では、資料や使われた備品などが見られる。
当時は秘密裡に建設されたメールレールの歴史は長く深く、それなりに重みもあった。

また、車両整備場の紹介やトンネル、レール保守整備用車両などもあった。銀座線が開業した時に、ロンドンでは秘密の非営業かつ無人運転の地下鉄があったと思うと、技術の進歩度合いに驚かされる。鉄オタ的な目線からも非常にそそられる展示内容で大変興味深かった。

60ポンドと高いけどトンネルウォークもあるらしい。再訪時にはぜひそちらを体験したいところだ。ロンドンのメインから少し離れていて閑静な場所にあったが、かえって観光地らしくなくて街の空気を感じやすい。少し散歩して、この日の探検を終えたのだった。

 


(c) The Postal Museum - Miles Willis