れいるのおと

旅、鉄道、飛行機、ひとり言。あれこれかじって語りたいだけのブログ。

函館本線 藤城・砂原支線に乗ってきた―後編―

前編のつづき。JR北海道 函館本線の支線、藤城支線・砂原支線に乗ってきた話。

 

 

1日1本だけ、この2つの支線を両方とも経由する列車がある。それが、函館駅5時49分発 森行き5881D列車。

この列車に乗車して、函館本線の2つの支線を乗ってきたのでレビューを綴っていく。

 

 

www.railnoote.net

 

 


 

大沼駅を出発、東に反れる砂原支線。駒ヶ岳をなぞる様にぐるっと旋回する。

森の中をしばらく走ると、列車は運転停車。列車の交換を行う。

 

旧・銚子口駅

ここは2022年に廃止になった旧・銚子口駅が信号所になったもの。駅舎がまだ残っていた。まだ廃止まもないからか、現役さながらな雰囲気。とはいえアスファルトの割れ目から雑草が生え、ローカルで人気が少ないのは充分感じられた。


鹿部駅渡島沼尻駅
渡島砂原駅・車窓

銚子口信号所を出ると、鹿部(しかべ)駅・渡島沼尻(おしまぬまじり)駅・渡島砂原(おしまさわら)駅と停車していく。

鹿部駅前には、陸上自衛隊駒ヶ岳演習場がある。それゆえか駅舎が大きいのだけど、電車で来る人はいるのだろうか。
どの駅舎も、耐寒・耐雪のためかしっかり作られているけど、相変わらず人気はない。乗り降りする客もわずかだった。


もう少し開けた車窓を期待していたのだけど、海岸線は遠いし、木々が生い茂る中を走るので、あまり変わり映えしない。のんびりローカル路線な感じ。

 

 

掛澗(かかりま)駅に到着。上り貨物列車と交換。
各駅は貨物との交換が可能な構造で、ホーム有効長はそこそこ長いものが多い。

乗っていればなんてことない閑散としたローカル線なのだが、朝イチで長編成の貨物とすれ違うと、大動脈路線の1つであることを改めて実感する。

 

 

前編でも記したが、函館本線の貨物列車は、急勾配を避けるために特殊なルートで運転されている。
下りは藤城支線・駒ヶ岳(本線)経由、上りは砂原支線・新函館北斗(本線)経由だ。

 

本線、つまり駒ヶ岳の勾配は、貨物列車にはとてもキツい。
10‰(パーミル/水平距離1000m進むと垂直距離10m上る角度)以内の路線を走るのが一般的なのに対し、ここは勾配20‰を超えており、補機が付く山陽本線セノハチ区間に匹敵する。

戦時中は、補助機関車を付けてやっと超えていたこの区間。私営鉄道を買い取って改修し、できた砂原支線の勾配は9‰に収まっているそう。

 

とはいえ10‰は角度にすれば約0.57度、20‰は約1.15度、大した角度には感じないけど...貨物列車はとても繊細なようだ。

 

 

尾白内駅東森駅

 

列車は尾白内駅東森駅に停車。次は終点 森駅だ。

現役、廃駅跡を含めて7、8つの駅を経てきたが、どれも色や形が様々だった。砂原支線の駅は個性が豊かだなと感じる。

 

木々が生い茂る森の中を走るため、車窓はそれほど楽しくない。

路線の個性を楽しむというよりは、キハ40のエンジン音、ジョイントを刻む音、風の音や薫りを楽しみながらのんびり行くのが、良い楽しみ方かもしれない。

 

 


森駅に近づいてくると、進行方向右側から海が寄ってくる。
列車はゆっくりと入線、定刻通りに到着した。

 

この駅は知名度は高くないものの、いかめしの駅弁がある駅、といえば伝わる人が多いかもしれない。

森という駅名に反して、海を見渡せてとても景観が良いこの駅。海が近い駅としては海芝浦や下灘が有名だけど、ここまで海が近く、水面からの高低差がほぼない駅も珍しいかも。

 

 

 

函館から約2時間、これにて藤城・砂原支線の乗りつぶし旅が終了した。

 

駅の探検や、私営鉄道跡、廃駅探索をしたいなと感じたものの、車窓が単調ゆえにまた乗りに来たい路線にはならず。もう少し、駒ヶ岳や海を感じられると思ってたんだけどな(笑)。

JR北海道の完乗を目指すうえでのボトルネックになるこの区間。新幹線の開業により存続が取り沙汰される路線の1つなので、乗りに行けて良かったかな。

 

 

 

今回はこの辺で。