過去の画像から。国鉄203系の上野行き幕の話。
常磐線各駅停車、地下鉄千代田線で活躍していた203系。
203系の方向幕には、「上野」幕が用意されていた。
国鉄車には様々な行先の方向幕がセットされていることが多い。
特に、14系、24系などの客車、103系や115系、415系、485系などは、各地へ走っていたため、いろいろな幕が入っている。
日本各地の行先が登録されていることに驚いた経験がある方も多いと思う。
一方、203系は、常磐線各駅停車と地下鉄千代田線で活躍していた車両。目的地になり得ない上野行き幕の用意があったとは大変驚きだった。
一応、203系の上野入線は実績がある。
しかしそれらは、試運転や疎開回送、マヤ34との検測するなど、非営業のもの。営業運転での入線歴は全くなかったので、この上野幕は幻の幕だったと言える。
なぜ上野幕を持っていたのだろう。203系は10両固定で連結運転はできない、つまり快速運転は現実的ではないのだ。
万一、快速線の車両が足りなくなった場合の備えだろうか。実際に快速運用に就いた場合、それは車両繰りが出来ない非常事態...ということか。
ちなみに後継車E233系2000番台には上野幕は用意されていない。まさに謎幕。
でも、レア幕が入ってるって、発見や想像を働かせる楽しさがあるので、それはそれで良いですよね(笑)。