JR北海道 函館本線の支線、藤城支線・砂原支線に乗ってきた話。
JR函館本線には、2つの支線がある。
まずは、函館付近の地図を見てみよう。
2つの輪があり、8の字を描いている函館本線。
本線は、左半円を描く路線だ。右半円の路線が支線となっている。
・下側 右半円、新函館北斗通らないのが藤城支線(下り専用)
・上側 右半円、大きなカーブを描くのが砂原支線
である。
両円の交点は南(地図下)から順に、七飯(ななえ)駅、大沼駅、森駅だ。
2つの支線の由来は、本線を複線化する際に勾配が緩いルートを選んだこと。勾配のキツさが異なっており、貨物列車は緩い方を経由して走っている。
・下り 札幌方面行き : 藤城支線と本線(駒ヶ岳)経由
・上り 函館方面行き : 砂原支線と本線(新函館北斗)経由
これが勾配が緩やかなルートだ。当初、特急列車などもこの経路で運転されていた。
しかし、エンジン性能の向上やら観光地である大沼公園を経由したいなどの理由で、砂原支線経由はやめられ、本線経由に変わる。下りのみを藤城支線経由にしていたものの、新幹線開業により、特急の全列車を新函館北斗駅に停車させることに。よって現在は、
●貨物
・下り 札幌方面行き : 藤城支線と本線(駒ヶ岳)経由
・上り 函館方面行き : 砂原支線と本線(新函館北斗)経由
●特急
・下り 札幌方面行き : 本線経由
・上り 函館方面行き : 本線経由
となっている。支線はごく一部の普通列車が通るのみとなってしまった。
本題。
1日1本だけ、この2つの支線を両方とも経由する列車がある。それが函館駅5時49分発 森行きの、5881D列車だ。
この列車に乗車して、函館本線の2つの支線を乗ってきたのでレビューを綴っていく。
オタクの朝は早い。ホテルの朝食バイキングを蹴って、早朝の函館駅へやって来た。
早速、お目当ての始発列車、5881Dに乗り込んだ。
車両はキハ40系、1両編成での運行だ。この日乗ってた人は10人程度、うち自分含め3、4名は旅人に見える。
定刻通り5時49分、列車は函館駅を出発。寝台列車がいた頃に比べると寂しくなった函館車両基地を横目に、北へ。
五稜郭、桔梗、大中山と停車、この辺は眠くて記憶がない(笑)。
駅を緩やかに出発、ポイントを通過すると一気に加速していく。
列車は坂を上り、レールは高架線に。本線と並行して進み、東へカーブして本線を跨ぐ。
この藤城支線、先ほど述べた通りで下り専用の支線だ。本線より勾配が緩やかというけど、この高架橋を上っている感じ、そんな印象は受けない。
が、実際のところ本線の勾配はもっとキツい。
七飯~大沼間の本線の最大勾配は22.5‰で函館本線で最も急だ。藤城支線は9.5‰に抑えられていて、これなら貨物でも乗り越えられる、ということだそう。
横津岳(よこつだけ)の麓、七飯町の城岱(しろたえ)牧場のある丘を走る。少しずつ標高が高くなるため、函館方面を見れば広がる平野を見渡せた。
木々の間を抜けていく、ちょっとした山登りのようなルートだ。この支線に駅はなく、列車は快調に走っていく。
しばらくすると進行方向左側に、大沼が見えてきた。
道立の自然公園の一部となっている大沼。背景に見えるは大沼公園のシンボル、駒ヶ岳。
これが見えたらまもなく大沼駅だ。本線と合流し、大沼駅3番線に入線した。
大沼駅では14分の停車時間がある。
その時間で上り列車と交換、そして特急北斗1号 札幌行きの通過待ちが行われる。
あまり触れなかったけど、乗ってる車両はキハ40だ。
これは全国的に数が減っている国鉄気動車。北海道ではまだ現役バリバリ...ではあるが、新型気動車の置き換えが進行している状況。これが最後の乗車になるかもしれないし、撮れる機会も多くない。
交換列車や停車中の写真、なかなか来ることがない大沼駅など、写真に収めて見学しながら、発車を待った。
後編につづく