国鉄が製造した207系は、民営化後JR東日本が所有していた形式。VVVFインバータの開発試験を目的に、国鉄時代末期の1986年に製造・投入された。国鉄民営化は1987年なので、国鉄で唯一のVVVFインバータ搭載車両となる。
試験を行う路線として地下鉄直通を行う常磐緩行線が選ばれ、松戸車両センターに10両1編成が配置。
外観や内装は205系をベースにしているが、地下鉄直通のため前面に非常ドアが付いた特徴的な顔つきをしている。試験車扱いであるため900番台の車番が付与された。
207系が投入された1986年は、203系がちょうど出そろった頃。これ以上の車両増備をする必要がなかったため量産車は製造されず、10両1編成のみの在籍に留まる。この次に常磐緩行線に投入されたのは1999年、車両は当時主流だった209系の地下鉄版である1000番台だった。
変わり者がいると保守整備に新たな手間がかかるもの。1編成のみの在籍かつ試験車だったためか、203系の引退より先の2009年にラストランを迎えた。
模型の世界では、マイクロエースとTOMYTECの鉄コレで製品化されている。特にマイクロエースは力を入れていて、計3種類のタイプがラインナップに並ぶ。
これはたぶん、鉄コレによる製品化(2017年)まではマイクロエースが単独で商品化していた上、比較的人気だったためだと思う。215系などにも似たような戦略を感じる。
勝手なイメージだけど超マイナー車両な印象なので...もう模型で出ることはないような気がする(笑)。
今は製造の段階である程度仕様が決まっているらしく、特別に試作車を作って実験ということも少ない。試作車が出ても量産化改造されてぱっと見で区別が付かないことがほとんど。オタク目線でいえば、民営化~2000年代くらいが楽しかったんですけどねー...。
今回はこの辺で。
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