JR貨物の仙台鉄道総合部に所属するDE10・11型ディーゼル機関車は、石巻線貨物や仙台貨物ターミナル駅の入れ替えを担当する。10両以上が所属して運用に就いているが、中でもおもしろい経歴を辿っているのが3001号機なのであります。
千の位が3というなかなか見ない番号のDE10機関車。特殊な番号の理由は、ラッセル用DE15から改造編入していることに由来する。種車は、JR東日本が所有し除雪任務に当たってきたDE15-1001。除雪用ラッセル車の置き換えにより余剰となったDE15がJR貨物に譲渡、2010年にラッセル非対応に改造され、DE10に編入したという経歴を持つ。
実はDE10の中で3000番台なのはこの1両のみ。JR東日本からの譲渡・DE10化改造の際に、DE15-1000番台が種車のものはDE10-3000番台を、DE15-1500番台が種車のものはDE10-3500番台を名乗ることになり、譲渡車の中にはDE15-1000番台が1両しかいなかったことが理由だ。
DE15の1000番台・1500番台の区別は、客車の暖房用の蒸気発生装置(SG)の有無。1000番台はアリ、1500番台はSGを積んでいない。SG搭載車両は客車の消滅に伴って製造されなくなり、DE15でも数両程度だった。そのうちの1両が改造転入に当たり、3000番台という1形式1両の車両が生まれた。つまり隠れたレア車。ぱっと見では他のDE10と特に変わりないのだけど、未だに原色を纏い、側面の車番プレートなのが特徴的な1両である。
現存する機関車でもSGを有する車両は多くないが、仙台にいるDE10は比較的多めとこれもまた何たる偶然(笑。今でもSGが使えるのかどうかはわからないけど、貨物には不要な装備だよなぁ。
今回はこの辺で。
最後までご覧いただきありがとうございます
クリックしていただけると励みになります
クリックしていただけると励みになります